第四百五十六話 空から来た者達その五
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「それでもな」
「やっていっていますか」
「ああ、何とかな」
万丈は今度は笑って答えた。
「やっていっているさ」
「そうなんですね」
「仕事もやってるしな」
「そっちもですか」
「ああ、だからな」
それでというのだ。
「心配することはないからな」
「そうだといいですが」
「というか君達も色々あったな」
桐生は智樹達に言った。
「俺達も命懸けだけれどな」
「俺達もですか」
「ああ、洒落になってない位にな」
そこまでというのだ。
「大変だろ」
「いや、俺は大したことしてないですから」
「話を聞いてると全然思えないからな」
桐生は智樹に真面目な顔で返した。
「君もイカロスさんも他の子達もな」
「そうですか」
「よくあんなことがあって許せたな」
「空のあいつをですか」
「ああ、よくな」
「許すも何も」
智樹は桐生にそれはという顔で返した。
「別にです」
「そういうのはいいんだな」
「ええ、そんなにあれこれしたいなら」
「地上に来てか」
「観て見ればいいって思いましたから」
だからだというのだ。
「そのまま言ってやりました」
「それだけか」
「はい」
こう桐生に言うのだった。
「それだけでした」
「俺だったらあいつは絶対に許せないがな」
「俺もだ」
万丈はやや憮然とした顔で言葉を出した。
「そんな奴はだ」
「お前はもっとだな」
「目の前にいたらな」
その時はというのだ。
「もうな」
「そうだよな」
「そんな奴を許せるなんてな」
智樹を見て言った。
「君はかなり凄い奴だな」
「俺が見てもだ」
氷室も唸って言った。
「この子は凄いな」
「ああ、将来どんな大物になるんだ」
猿渡も唸って言った。
「一体な」
「いや、俺そんな大物じゃないですよ」
智樹は謙遜した笑みで返した。
「それこそ」
「いや、実際そうだろ」
「しょっちゅうエロいことしてお仕置きされてますし」
「そはらさんや会長さんに」
イカロスが付け加えてきた。
「そうなっていて」
「そうだろ、この前だってな」
「確かこの前は」
「またプロレスやってな」
「それで会長さんとの勝負で」
「身体触りまくったまではよかったけれどな」
それまではというのだ。
「途中そはらが乱入してきてな」
「マスク被って」
「そしてボコボコにされたからな」
「だから」
「ああ、他にも学校の女子にはゴキブリって言われ続けてるしな」
智樹は自分からこのことも言った。
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