第一章
[2]次話
スーパーマーケットで
アメリカコロラド州の話である。
動物の保護団体のスタッフ達はその連絡を受けてすぐに動きはじめた。
「スーパーマーケットですね」
「そこにですね」
「大きな犬がいるんですね」
「駐車場のところに」
「そうらしいです、随分汚れてて垂れ耳で」
その犬の話にもなった。
「大人しい子らしいです、雄とのことです」
「わかりました」
「じゃあすぐに保護に行きます」
「野良犬か捨て犬かわからないですが」
「行って来ます」
スタッフ達は口々に言ってだった。
そうしてそのスーパーに向かった、すると。
雨の中ずっと駐車場に座っている犬がいた、連絡通り垂れ耳の大型犬で雄である。その犬はじっと座ってだった。
動かない、スタッフ達はその彼を見て話した。
「もう濡れそぼって」
「随分汚れてるのに」
「動かないですね」
「若しかして飼い主を待ってるんでしょうか」
「じゃあこの子捨て犬ですね」
「そうですね」
「飼い主に捨てられたのに」
それでもというのだ。
「こうして飼い主を待つから」
「犬は本当にけなげですね」
「いい生きものです」
「そんな子を捨てるなんて」
「本当に酷いですよ」
「全くです」
「ですが動かないですね」
スタッフ達が声をかけてもだった、犬は。
そこから動かない、それでだった。
スタッフ達は無理強いせず彼が動くまで待つことにした、あまりにも濡れそぼっているので身体を拭いてだった。
毛布をかけた、するとだった。
犬は彼等に打ち解けたのか顔を向ける様になった、そして彼等が行こうかと言うとだった。
「ワン」
「応えてくれましたね」
「じゃあ一緒に行きましょう」
「施設に連れて行きましょう」
「そして飼い主を探して」
「出ないなら里親を探しましょう」
スタッフ達はこう話してだった。
犬を自分達の団体の施設に連れて行った、そうしてまずは。
犬の飼い主を探したが。
「駄目ですね」
「飼い主は出ないですね」
「SNSでかなり拡散していますが」
「それでもですね」
「名乗り出ないですね」
「それじゃあですね」
「里親を探しましょう」
こうしてだった、犬はケイシーと名付けられてだった。
すぐに里親を探すことになった、その時には。
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