第二章
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犬は森に入った、そしてだった。
森をそこそこ入ったところで立ち止まって二人を振り返って鳴いた。
「ワン」
「?兎?」
「兎だな」
二人はその兎を見て目を丸くさせた、森の少し広くなっている場所の真ん中に真っ白な兎がいたのだ。
その兎を見てだ、ダンは言った。
「若しかしてな」
「ああ、この犬はな」
同僚も応えて言った。
「兎を守っているんだな」
「そうだな、兎と友達でな」
「これまで一緒に暮らしていたな」
「そうだな」
「それはわかったけれどな」
「それでもな」
ダンは自分に助けを求めている目の犬とそこにじっとしている兎の両方を見た、そのうえで同僚に話した。
「兎だからな」
「犬とな」
「こんな組み合わせはな」
「ちょっとないな」
「兎は餌だろ」
「犬にとってな」
同僚も自分達に助けを求めている犬を見つつ言った。
「そうなのにな」
「その兎も助けてくれっていう目だな」
「だから俺達をここまで連れて来たな」
「自分だけ助かるんじゃなくてな」
「兎も一緒にってな」
「しかし」
それでもとだ、ダンはまた言った。
「これはな」
「犬と兎の組み合わせなんてな」
「ちょっとないよな」
「まさかこんな組み合わせなんてな」
「ちょっとないからな」
「それは驚いてるな」
「そうだな」
二人で話した、そしてだった。
あらためてだ、ダンは言った。
「けれどな、犬が頼んでるしな」
「兎も一緒にってな」
「それじゃあな」
「そう頼んでるならな」
「兎も一緒に保護するか」
「そうしような」
「おい、一緒に助けるからな」
ダンは犬にあらためて言った。
「それでいいな」
「お前もお友達も一緒だ」
同僚も犬に優しい声をかけた。
「それでいいな」
「ワン」
犬も応えてだった。
ここでようやく尻尾を振った、彼も友達の兎も拾われそうしてだった。
保護され動物の里親を探すボランティア団体に引き渡された、犬はダンにハイウェイと名付けられ兎はインスターステイトと名付けられて。
ハイウェイはすぐに里親が見付かったがインスターステイトは。
「お前が引き取ったんだな」
「ああ、犬は見付かってもな」
ダンは自宅に来た同僚に話した、見ればだった。
兎は部屋の中にいる、そこでじっとしている。見ればケージがありそこにご飯を入れる皿やトイレがある。
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