暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのは〜無限の可能性〜
最終章:無限の可能性
第286話「“可能性”は繋がれる」
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檻のように帝を囲んでいた。
 そのまま、収縮して斬り刻むつもりなのだろう。

「ぐっ……!!」

 気を纏い、ギリギリ隙間を縫って包囲を抜け出す帝。
 だが、避けた先にも武器の刃が迫り、左肩が貫かれる。

「まずい……!」

 葵がレイピアを生成し、壁を作る。
 それが気休めだという事は全員わかっていたため、優輝達も飛び退く。
 帝も即座に復帰し、傷の再生も終わらぬうちにイリスへと飛び掛かった。
 ……しかし、一歩遅い。

「これで、終わ―――」

   ―――“破綻せよ、理よ(ツェアシュテールング)

 武器によって壁が崩され、帝も弾かれる。
 そして、“闇”による極光が放たれる、その寸前。
 集束した“闇”が爆発し、僅かにイリスは怯んだ。

「させないよ」

「緋雪……!」

 駆けつけたのは緋雪だ。
 “破壊の瞳”によって、イリスの攻撃を潰したのだ。

「状況は見ていたよ。今の内にお兄ちゃんを―――」

   ―――“L?vateinn ?berwindung(レーヴァテイン・ユヴァヴィンド)

「―――お願い!」

 振るわれるイリスの武器に対し、緋雪も武器を振るう。
 赤と青の霊魔相乗による螺旋を纏った白き刀身が、“闇”を打ち砕く。
 細く伸びた“闇”であれば、緋雪の剣で破壊が可能だ。

「っ……!次から、次へと……!」

「葵さん!」

 緋雪は基本大振りな攻撃ばかりだ。
 細かい動きも可能ではあるが、今の武器ではどうしても大振りになる。
 そこを、葵がフォローする。

「私と彼の戦いを……邪魔するなッ!!」

「ッ……!?」

 単純な戦闘では、少しばかり時間がかかる。 
 そう判断して、イリスは“闇”と共に拒絶の“意志”を放つ。

「堅い……!!」

「はぁっ!!」

 緋雪と帝の攻撃すら、“意志”の壁を破れない。
 攻撃し続ければ破れるだろうが、その前に優輝に辿り着かれる。

「くっ……!」

「今更貴方程度が止められるとでも……!」

「うるさい!!」

 優輝を庇うように、神夜が“意志”の剣を振り被る。

「く、ぉおおおおおおッ……!」

 障壁と拮抗はするが、破れない。
 そして、隙だらけだ。

「ぐふっ……!?」

 不定形の武器に串刺しにされ、神夜はたたらを踏む。
 しかし、瞳に灯る“意志”は消えていない。

「つぁッ!!」

「ッ!?」

 障壁を破れないのならば、その上から吹き飛ばせばいい。
 そう考えたのか、神夜は“意志”を衝撃波として放った。
 狙いは上手く行き、イリスは無傷ながらも後退させられた。

「なら……!」

「っ、緋雪!帝!横
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