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魔法少女リリカルなのは〜無限の可能性〜
最終章:無限の可能性
第286話「“可能性”は繋がれる」
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に返事する。
 実は、洗脳される際に“領域”は侵食されているのだ。
 そこから、“領域”を認識する事はそこまで難しくない。
 一度も洗脳されていない帝だったからこそ、分からない事だった。

「さすがに“固有領域”までは使えないけど、これなら……!」

「っ……!」

 直後、衝撃波が三人に届く。
 見れば、遠くの方でユウキとイリスが戦っていた。

「……耐えられる、な」

「そうみたいだな」

 三人がいる場所は、丁度二人の“固有領域”がせめぎ合う境目だ。
 つまり、ユウキの力だけでなく、イリスの“闇”も届く。
 先ほど散々苦しめられた“闇”を、三人は再び浴びていた。
 だが、“領域”を認識する事を意識すれば、耐えるのは容易だった。

「それよりも……」

「……ああ。負けるぞ、あいつ……!」

 帝が言った直後、ユウキは吹き飛ばされた。









「ッ、かはっ、はぁっ、はぁっ、はぁっ……!」

「……終わりです。貴方を倒した後、やってくる人間も全て潰しますよ」

 ギリギリで“固有領域”を維持しているが、ユウキは限界だ。
 対し、イリスはダメージを負っているものの、まだ戦える。
 結果は明白だ。ユウキはイリスに競り負けたのだ。

「く、はは……!もう勝った気でいるなら、油断もいい所だぞ」

「何を……」

「神として振る舞うのは次で終わりだ。その先は、人間としてやらせてもらうッ!!」

 展開されていた“固有領域”が圧縮されていく。
 同時に、理力が途轍もない勢いで消耗する。

「まさか……!」

「言っただろう?“これで、切り札が潰せる”ってなぁッ!!」

   ―――“導となりし、可能性の軌跡(ミソロギア・トゥ・デュナミス)

「しまっ……!?」

 “可能性”が、力の奔流となってイリスを襲う。
 イリスは咄嗟に“固有領域”による“闇”で相殺を試みる。
 しかし、相手は圧縮された“領域”だ。いくらイリスでも簡単には凌げない。

「ここに来て、捨て身ですか……!」

「……神界での戦いは、ほとんど捨て身さ。けど、だからこそ拓かれる“可能性”も、あるんだよ……ッ!!」

 息も絶え絶えにユウキは力の全てを出し切る。
 “固有領域”を利用した一撃は、それこそ使えば満身創痍になる。
 それでも、ユウキはイリスの切り札を叩き潰しにかかった。

「くっ……ぁ……ぁあああああああああッ!?」

 そして、一際強い閃光が辺りを包み、爆発を引き起こした。





「っ、ぁ、ぐ、ぅう……!」

〈マスター!〉

 爆発が晴れた所には、全身がボロボロの煤だらけとなったユウキが、剣の形態に姿を変え
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