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魔法少女リリカルなのは〜無限の可能性〜
最終章:無限の可能性
第286話「“可能性”は繋がれる」
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 出来る限り体力等の消耗を少なくしつつ、攻撃を続ける。
 そして、やって来た味方を突入させる手伝いも担う。
 今の優奈にとって、それが最善の行動だった。

「勝つか負けるかの瀬戸際。それも負ける“可能性”の方が大きいのに……やっぱり、“可能性の性質”だからかしら?」

 決して戦場は見えない優奈。
 中で実際に何が起きているのかは分からない。
 それでも、自然と笑みを浮かべていた。

「……負ける気がしないのよね。全然」

 その表情は、優輝を、そして仲間たちを信頼しきっていた。





















「ぁ、ぐ……はぁ、はぁ、はぁ……!」

 一方、突入した葵達は、空間に満たされた“闇”に苦しまされていた。
 それは単に体力を削るだけでなく、洗脳や思考操作の類も効果に含まれている。
 そのため、それを耐えるために動けずにいたのだ。

「“闇”が、晴れていく……」

 そして、ユウキの“固有領域”によってそれも中和された。

「……ありがと、抑えていてくれて」

「いや……正直、運が良かっただけだ」

 唯一、帝はユウキと同じように“固有領域”を扱えるため、無事だった。
 それによって正気を保ち、葵と神夜を洗脳されてもいいように抑えていた。

「くそっ、触れるだけで苦しめられるのか……!」

「……そうでもないぞ。対策はある」

 無事だったが故に、帝には考える時間があった。
 そのため、洗脳すらしてくるその“闇”への対抗策も思いついていた。

「元々、前回は一瞬で洗脳されたんだろ?だけど、今回は違った」

「……そういえば、優ちゃん曰く、あの時のイリスは分霊だから……こっちの方が効果としては強いはずなんだっけ?」

「ああ。そして、俺が無事だったのは自身の“領域”を理解していたからだ」

 自身の“領域”を理解してくるからこそ、それを侵しにくる“闇”を拒める。
 だから、帝だけは無事だったのだ。
 戦っているユウキも、同じ理論で無事なのだ。

「“意志”と“領域”は密接に関係しているが、同一ではない。だけど、“意志”だけでも抵抗は出来た。なら……」

「自身の“領域”を少しでも理解出来れば、対処できるって事だね」

「そういう事だ」

 しかし、“領域”を理解する事は簡単な事ではない。
 帝も優奈のおかげで“領域”を認識できたぐらいだ。
 自力で認識するには、そもそも方法がわかっていない。

「問題はどうやって自分の“領域”を認識するかだが……」

「それは大丈夫」

「……そうだな」

「そうなのか?」

 そんな懸念事項だったが、葵と神夜は問題ではないとばかり
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