外伝〜彷徨える霊姫〜 前篇
[6/8]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
ですが………――――――そういえば、エリゼから聞いた話では確かセリカ殿の仲間の中に”リタ・セミフ”という名前の”理性がある死霊”がいるとの事ですが……」
「あ。それは私の事ですね。」
静かな表情で呟いたセリカの言葉に頷いたリィンは考え込んだ後ある事を思い出してセリカに訊ねるとリタが申し出た。
「ええっ!?そ、それじゃあ貴女も先程のアンリエットさんという方と同じ……」
「はい、私も彼女と同じ”幽霊”ですよ。ほら、この通り。」
リタの申し出を聞いてリタの正体を知って驚いているアルフィンの言葉に頷いたリタは自分自身の姿を消して槍だけを宙に浮かし、それを見たリィン達は冷や汗をかいて表情を引き攣らせた。
「えっと、お兄様。今のこの状況でリタさんの事を聞いたという事は、もしかしてリタさんにアンリエットさんの説得をしてもらおうとお考えなのでしょうか……?」
「ああ。同じ”幽霊”――――――それも、双方”理性”があるから、”生者”の俺達よりは耳を傾けてくれると思うんだが……」
セレーネの疑問に答えたリィンは考え込み
「うーん……期待している所申し訳ないですが、多分説得には応じないと思いますよ。彼女――――――アンリエットは”死者に寄り添って、慰める事がアンリエットの存在理由”みたいな言い方をしていましたから、それを否定するような事は絶対に受け入れてくれないと思います。」
「ん……説得……難しい……」
二人の話を聞いたリタは困った表情で答え、リタの答えにナベリウスは静かな表情で頷いた。
「――――――とにかく、まずは僧院内を漂う霊体の掃討を開始しましょう。それが私達が受けた要請内容でもあるのですから。」
「そうだな……―――――これより、僧院内の死霊の掃討を開始する。作戦開始前にも説明したように死霊―――――”霊体”には通常の武装による物理攻撃は通らない。各自、それぞれに支給した”対アンデッド用の武装”で挑むことを絶対に忘れないように。」
「イエス・コマンダー!!」
ルシエルの言葉に頷いたリィンはセレーネ達を見回して号令をかけ
「――――――それではセリカ殿。改めてになりますが、ご協力の方、よろしくお願いします。」
「ああ。」
号令をかけたリィンはセリカに声をかけた後仲間達と共に僧院へと入った。
「ここは……」
「どうやら礼拝堂みたいですけど………」
僧院内に入り、礼拝堂らしき場所に到着したクルトとエリスは周囲を見回して呟いた。
「!全員、迎撃態勢を!」
「来る――――――!」
一方敵の気配を逸早く察知したルシエルとベアトリースがそれぞれの武装を構えて警告すると、リィン達の目の前にローブを身に
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ