第一章
[2]次話
満腹だからもうこれ以上は
ボツワナのことである、野生動物の写真家をしているエバン=シラーとリサ=ホルツヴァルトは二人で動物達の写真を撮っていた。シラーは金髪を短くしていて顔の下半分は濃い髭で覆われている。目は青で大柄で逞しい体格だ。リサは茶色の髪の毛を後ろで束ねていて面長で顎が尖っている。茶色の目で背は一六五位ですらりとしている。二人共サファリスーツを着ている。
撮る中でだ、リサは雌ライオンを見付けて言った。
「ああ、ヒヒを食べていますね」
「そうだね」
シラーはリサが指差した方を見て言った。
「今は」
「ライオンが霊長類を食べるのはあまりないですが」
「撮ったかな」
「はい」
そうしたとだ、リサは答えた。
「そうしました」
「そうしたんだね」
「はい、それでなんですが」
リサはさらに言った。
「傍に子供がいたらしいですが」
「親が食べられたんだね」
「そうみたいですね」
「よくあることだね」
自然の中ではとだ、シラーは述べた。
「そうしたことも」
「そうですね」
「うん、じゃあその子は早く逃げないとね」
「自分も食べられますね」
「そうなるよ」
こう言った、そうしてだった。
二人はそのライオンを撮っていたが。
ヒヒの子供は硬直していた、ライオンが目の前にいればそれも当然だった。それでシラーは諦めた顔でリサに言った。
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