暁 〜小説投稿サイト〜
魔法絶唱シンフォギア・ウィザード 〜歌と魔法が起こす奇跡〜
G編
第72話:魔法使いの居る潜伏
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へマリア達が飛び込んできた。食事中に急いできたものだから、切歌などは口の端にソースを付けたままである。
「マムッ! さっきの警報は……あ――」
慌てて飛び込んだマリアだったが、モニターに映る映像に全てを察した。
「次の花は、まだ蕾故、大事に扱いたいものです」
「心配してくれたのね。でも大丈夫、ネフィリムが少し暴れただけ。隔壁を下ろして食事を与えているから、時期に収まるはず」
ナスターシャ教授はモニターを見ながら「それに」と付け加えた。
「念の為、彼もすぐ傍で見張ってもらっていますから」
ナスターシャ教授の視線に釣られてモニターを再び見ると、そこには檻の直ぐ傍でハルバードを手にしたソーサラーが映り込んでいた。もしここでネフィリムが檻を破壊するような事があっても、彼が魔法で押え付けてくれるという事だろう。
モニターの向こうでネフィリムが再び暴れ、病院全体が大きく揺れる。
だがネフィリムの前に佇むソーサラーの姿に、マリアの心から不安は消えていた。
何故かと問われれば、その光景にマリアは既視感を覚えていたからだ。
そう、忘れる事も無い。あの時の――――――
「対応処置は済んでいるので大丈夫です」
「それよりも、そろそろ視察の時間では?」
「フロンティアは、計画遂行のもう一つの要。軌道に先立って、その視察を怠る訳にはいきませんが……」
「結構な事だな」
「ん?」
ウェル博士とナスターシャ教授が話していると、新たな声が室内に響く。やってきたのは妖しい美貌を持つ1人の女性、魔法使い・メデューサ。
彼女は冷たい目を室内に居る全員に向け、次いでモニターを見てから口を開く。
「折角の力も、制御できなければ意味がない。ましてや、数に限りある餌を必要とする力など」
メデューサは言外にネフィリムの力を侮蔑していた。彼女にとって魔法こそが至高の力。それ以外の、制御できるかもはっきりとしない聖遺物由来の力など信用できるものではなかった。
そんな意味を込めての視線を向けられても、ウェル博士は人の好さそうな笑みを崩さなかった。
「その心配は無用。ネフィリムの食料調達の算段はちゃ〜んと考えておきます」
「ソーサラーに護衛を頼みましょう。彼なら信用できます」
「こちらに荒事の予定はないから平気です。ソロモンの杖だってありますし、琥珀の魔法使いを数人付けてくれるだけで十分。強力な戦力は寧ろそちらに集中させるべきでしょう?」
ウェル博士の言葉には一理あった。
所詮彼は一介の生化学者に過ぎず、またソロモンの杖に加えて木っ端とは言え魔法使いが居れば護衛には事欠かない。
対してナスターシャ教授はこの組織の長。彼女がい無くなれば組織が瓦解してしまう可能性を考え
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