暁 〜小説投稿サイト〜
魔法絶唱シンフォギア・ウィザード 〜歌と魔法が起こす奇跡〜
G編
第72話:魔法使いの居る潜伏
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えると、彼は視線をテーブルの上に向け右手をハンドオーサーに翳した。
〈コネクト、ナーウ〉
ソーサラーが魔法を発動した手をテーブルに向ける。するとテーブルの上から魔法陣が下りてきて、テーブルと重な他瞬間その上には皿に盛られた料理が姿を現した。
「ご、ご飯デース! ご馳走デース!!」
「……食べて良いの?」
今日もインスタント食品の何処か物足りない食事になると思っていた切歌は皿に盛られた温かな料理に歓喜の声を上げ、調はソーサラーに首を傾げて問い掛ける。
だがソーサラーは料理を出すだけ出すと、踵を返してその場を立ち去った。後には湯気を上げる料理と、マリア達3人だけが残された。
「…………何のつもりかしら、あいつ?」
「何でも良いのデス! 早速ご馳走にありつくのデス!」
「ちゃんとしたご飯、久しぶり」
1人訝しむマリアであったが、切歌と調は喜んで席に着き料理に手を伸ばした。前述した通りここ最近はカップ麺やインスタント食品ばかりだったので、一から新鮮な材料を調理して作ったと思われる料理は久しぶりだった。
ソーサラーの考えがイマイチ分からなくて不信感を抱かずにはいられないマリアであったが、彼らが自分達を貶める理由にも見当がつかなかったので、マリアも大人しく席に着き料理に手を伸ばした。スプーンを手に取り、スープを掬って口に運ぶ。
「…………ん?」
スープを口に入れた瞬間、口に広がった味にマリアは奇妙な感覚を覚えた。それは一言で言うなれば郷愁とでも言えばいいのだろうか。そのスープの味が妙に舌に馴染むのだ。
――私は……この味を知っている?――
奇妙な感覚に食事の手を止め考え込むマリアに気付かず、切歌と調は料理に舌鼓を打つ。
その時、廃病院内に警報が鳴り響いた。
「「「ッ!?」」」
慌てて食事の手を止め、3人はマムと慕うナスターシャ教授が居る部屋に駆けていく。
3人が向かっている部屋では、ナスターシャ教授がマップを見ながら警報を止め、カメラ映像に目を向けた。
映像の向こうでは、既存の生物とは異なるフォルムをした4足歩行の存在が檻の中で息遣いも荒く、何かに食らい付いている。
「……あれこそが伝承にも描かれし、共食いすら厭わぬ飢餓衝動。やはりネフィリムとは、人の身に過ぎた――――」
「人の身に過ぎた、先史文明期の遺産……とかなんとか思わないでくださいよ」
「ドクター・ウェル……」
「例え人の身に過ぎていても、英雄たる者の身の丈に合っていれば、それで良いじゃないですか」
ナスターシャ教授の背後の暗がりから現れたウェル博士は、余裕すら感じさせる穏やかな表情でそう呟いた。表情には微笑みさえ携え、その立ち振る舞いは堂々としたものであった。
そこ
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