暁 〜小説投稿サイト〜
魔法絶唱シンフォギア・ウィザード 〜歌と魔法が起こす奇跡〜
G編
第72話:魔法使いの居る潜伏
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顔を上げた。そして徐に右手をハンドオーサーに翳し、コネクトの魔法でハルバードを取り出した。
〈コネクト、ナーウ〉
ソーサラーはハルバードを取り出すと、まるで何かを遮るようにシャワールームの前をハルバードで通せんぼした。
すると――――――
「ンフフフフフ! 嫌だな〜、僕もただシャワーを浴びに来ただけじゃないか」
まるで虚空から溶け出すように緑の魔法使いに変身した青年が姿を現した。青年は自身の行く手を遮るソーサラーを、とても愉快なものを見る目で見ていた。
ソーサラーは彼の言葉に対し、ハルバードを退ける事無く顎でしゃくってこの場を離れるように指示した。
彼の行動に、青年は口を目を三日月の様に歪めた笑みを浮かべる。
「ふ〜ん、そんな態度取るんだ〜? 良いのかな〜? そんな事しちゃって〜?」
小馬鹿にしたような、それでいて自身の優位を信じて疑わないような物言いの青年にソーサラーのハルバードを持つ手が一瞬ブレる。
彼のその反応が面白かったのか、青年は一つ笑みを溢すと踵を返してその場を離れた。
「ま、君はワイズマンの直轄みたいなものだし、僕には君に偉そうに言う権限はないから別に良いんだけどね〜。でもミサちゃんには気を付けた方が良いと思うよ? あの子、結構短気だから」
それだけ告げると青年は手を振ってその場を離れた。後に残されたソーサラーは、何かを堪えるようにハルバードを下ろしまた顔を俯けた。
それから程なくして3人はシャワーを終え出てきた。汗を流して綺麗さっぱりした3人がシャワールームから出る頃には、ソーサラーはその場を立ち去っていた。
「さぁ! 嫌な事はご飯を食べて忘れるのデス!」
風呂上がりに3人が向かったのは食堂として利用している部屋だ。尤も隠れ潜みながらの生活となっている上に資金にも限りがあるので、ここ最近の彼女達の食事は専らカップ麺などのインスタント食品だったが。
3人が食堂に入ると、そこには何時もは居ない人物が居た。ソーサラーだ。彼は食堂の中ほどの壁に背を預けて佇んでいる。シャワールームの入り口からそのまま移動したかのようだ。
彼女達はこのソーサラーが苦手だった。彼はとにかく何も喋らない。何か話しかけても、碌に返答を返さずその場を立ち去る事が殆どだったのである。
まぁ協力関係にあるジェネシスの魔法使いは、その殆どがまともに返答出来ない者達ばかりだし、かと思えば反応を示す幹部のメデューサなんかも好き好んで話し掛けたい人物ではないので彼女達と魔法使い達とのコミュニケーションは皆無に等しいのだが。
マリア達が食堂に入ってきたのを見ると、ソーサラーは顔を上げ3人の事を見る。普段碌に言葉を交わさない彼が自分達に目を向けた事にマリア達が僅かに身構
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