暁 〜小説投稿サイト〜
魔法絶唱シンフォギア・ウィザード 〜歌と魔法が起こす奇跡〜
G編
第72話:魔法使いの居る潜伏
[2/7]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
ないかと思ってね」
「お前そんな事してたのか!? だったらなんでもっと早くに言わなかったんだよ!」
「途中で箱だけ捨てられたら意味ないからさ。だからこそ、二重の居場所の特定が必要だと思ってね」

 そこまで彼が行ったところで、慎次からの通信が入った。

『風鳴司令』
「緒川か。そっちはどうなっている?」
『ライブ会場に乗り捨てられていたトレーラーの入手経路から、遡っているのですが――――』
『この野郎ッ!』

 通信機の向こうからは慎次の声だけでなく、随分と乱暴な声や銃声、物が壊れる音などとにかく物騒な音が響いていた。だがそれを気にする者はおらず、全員が慎次からの報告に耳を傾けていた。

 慎次は普段奏と翼のマネージャーをしているが、裏の顔は情報部として危険な敵性組織への潜入活動も行っている。その彼にとって、戦闘・鎮圧を片手間で熟しながら報告する事など造作もない事であった。
 なので彼が単独で任務に当たっている先からの通信で、騒音や悲鳴が入ってくる事など何ら珍しい事では無いのである。

『辿り着いたとある時計屋さんの出納帳に、架空の企業から大型医療機器や医薬品、計測機器等が大量発注された痕跡を発見しまして』

 尚も通信機越しに悲鳴や騒音をBGMにしながら慎次が報告を続けている。その中にあった医療機器と言う単語に弦十郎は反応した。

「医療機器?」
『日付は、ほぼ二ヶ月前ですね。反社会的なこちらの方々は、資金洗浄に体良く使っていたようですが……この記録、気になりませんか?』
「緒川さん。その記録にある場所のデータこっちに回せる?」
『颯人君? えぇ、出来ますよ。ちょっと待っててください』

 程なくして、慎次から記録にあるとされる場所が送られてきた。颯人はそれと自分の仕掛けた発信機の動きを重ね合わせて――――

「――――ビンゴ!」

 発信機が長時間留まっていた地点と、記録にある場所のデータがピタリと一致した。発信機はその後再び移動したが、恐らくそれは箱ごと発信機が捨てられたからだろう。発信機が最終的に辿り着いたのは、燃えるごみの焼却施設だ。

 即ち、記録と一致した発信機が長時間留まっていた場所こそがフィーネのアジトである可能性が非常に高い。
 見事に武装組織への足掛かりを発見した事に、颯人は弦十郎達に笑みを向けながらピースサインをしてみせたのだった。




***




 一方、町外れの廃病院。颯人と慎次の協力プレイにより割り出された武装組織フィーネのアジトでは、シャワールームで2人の少女が体を洗っていた。
 金髪の少女・暁 切歌と黒髪の少女・月読 調である。

 シャワーを浴びながら、切歌は調に興奮気味に話しかけていた。

「でね、信じられないのは、それ
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ