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おっちょこちょいのかよちゃん
133 杉山を説得させる者
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いう使命である事、そうしないとこの国は赤軍に乗っ取られ、また戦争への道へ進んでしまうという事は理解してくれたので承認してくれていた。
「皆、すまん、今日は急がなきゃいけない用があるんだ。それじゃな」
 三河口は濃藤達にそう言って走り去った。
「何だよ、急がなきゃいけない用って?」
「もしかしたら、近所の子から聞いたんだが、その子のクラスメイトの一人、大野君ってのが転校しちまうらしい。それで親友の杉山君ってのと喧嘩したとか」
 北勢田は推測した
「文化祭や名古屋で一緒に戦ったあの子達?」
 奏子が確認する。
「ああ、もしかしたらその仲直りをあいつがやるんじゃないかって思うんだ」
「なんでミカワがその二人の事を気にするんだよ」
「あいつが住んでる家の隣にも、そいつらのクラスメイトの女子がいるし、一緒にミカワの昔話も聞いてたからな」
「三河口君、大丈夫かな・・・?」

 杉山は下校した。母が出迎える。
「只今」
「お帰り。さとし。もう異世界に行く日近いのよ。準備何もしてないけどいいの?お姉ちゃんはもう準備進めてるわよ」
「う、でも俺に何ができるんだよ?」
 杉山はそう言って自分の部屋に行ってしまった。
(あんな奴・・・)
 その時、何かの感触がした。赤軍とか戦争主義の世界の人間の感触ではない。自分の味方のような感触だった。母が呼んだ。
「さとし、三河口君って高校生の人が会いたいって来たわ。山田さんの隣の家に住んでるっていう」
「三河口・・・?」
 杉山はその名を覚えていた。自分を好きになっているおっちょこちょいの女子の家の隣に居候しており、横浜の実家を離れてこの清水にやって来た男である。杉山は玄関に降りてきた。
「よお、杉山君。元気だったかな?」
「アンタ、何しに来たんだよ?まさか山田みたいに同じ事聞くのか?」
「いや、その前に来て欲しい所がある。俺について来てくれるか?」
「え?ああ」
 杉山はコートを用意し、三河口と共に外に出た。
「なあ、杉山君」
「何だよ」
「石松から聞いた話だが、大野君と喧嘩してどうなんだ。気分がスッキリした訳じゃないだろ?」
「でも、アイツが親の都合だとか言い訳しやがったんだよ」
「親の都合は子供にはどうにもならんのは確かだ。だが、君は大野君と喧嘩別れしてそのままでいいも思ってんのか?それとも、君は大野君に何て言って欲しかったんだ?君のクラスのかよちゃんやブー太郎君とかも、別れても君と大野君には親友でい続けていて欲しいって願ってるハズだ。大野君だって本心で言った訳じゃなかろう」
「そんなのアンタにわかんのかよ!?」
「俺だって何もかも知っている訳じゃない。だが、戦いの為の石を捨てたそうじゃないか。かよちゃんから聞いたが、それから異世界に行くのか行かないのかはっきり言って
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