暁 〜小説投稿サイト〜
戦国異伝供書
第百二十八話 僧籍の婚姻その十三
[1/2]

[8]前話 [1] 最後 [2]次話
「それで急に動かれたのはな」
「やはりおかしい」
「左様ですな」
「では操られている」
「そうなりますか」
「うむ、それに朝廷にはな」
 今度は織田家を認めているこちらの話をした。
「以前より妙な公卿の方々がおられるな」
「妙な?」
「妙なといいますと」
「それは一体」
「高田様じゃ」
 この家の者だというのだ。
「あの方じゃ」
「あの陰陽道に通じている」
「あの方ですか」
「応仁の大乱でも都に残られていた」
「あの方ですか」
「あの家は昔から異様に黒い衣を着られる」
 その高田家もというのだ。
「そう、まるでな」
「闇ですな」
「闇の衣ですな」
「それをですな」
「着ておられる」
 この公卿もというのだ。
「奇怪な門徒達にな」
「織田家に出た津々木殿」
「崇伝殿に天海殿」
「そして高田様と」
「揃い過ぎておらぬか」
 どうにもというのだ。
「これは」
「左様ですな」
「言われてみれば」
「そう思えてきました」
「法主様に言われる通りに」
「そして拙僧達本願寺もな」
 自分達もというのだ。
「織田家との戦はな」
「まさか」
「まさかと思いますが」
「それは」
「何者かが仕組みな」
 そしてというのだ。
「その何者かはな」
「その闇のですか」
「闇の衣の者達」
「そうも思われますか」
「確かな証はないのではっきりとは言えぬが」
 それでもというのだ。
「こうもな」
「思われますか」
「法主様は」
「その様に」
「うむ、さもないと戦にはならなかった」
 本願寺と織田家はというのだ。
「お互いに戦うつもりはなかったからな」
「それだけに」
「今この様な戦になった」
「それならば」
「まさにじゃ」
 こう言うのだった。
「何者かが裏におってな」
「そして策を用いて」
「我等を争わせた」
「そしてその者達は」
「闇の」
「そう思った、確かな証は全くないが」
 それでもというのだ。
「気になるのう、しかもな」
「しかも?」
「しかもといいますと」
「まだありますか」
「織田殿の周りにじゃ」
 信長、彼のというのだ。
「多いのう」
「その津々木殿といい」
「急に出て来て急に姿を消した」
「あの御仁にしても」
「そして浅井殿もな」
 再び織田家に入ったこの家もというのだ。
「先代殿の訳のわから翻意もな」
「ですな、先代殿もわかっておられることだというのに」
「織田家に翻意を出しても意味がない」
「そのことが」
「それに我等とじゃ」
 本願寺にというのだ。
「公方様じゃ」
「まさに織田家の周りですな」
「織田家の周りで次々に起こっていますな」
「妙なことが」
「言われてみれば」
「まるで織田殿
[8]前話 [1] 最後 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ