父よ、母よ、妹よ 中編
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いたのだ。人間態としての黒田を見つめるようにサソリのレリーフが妖しく光る。
『ドリルモグラよ。貴様は我がショッカーの為ならかつての仲間を裏切れるか?』
「仲間?ああ、裏切り者のV3やライダーマンのことか。あんな奴ら、改造前から死ねばいいと思ってたからな。裏切れるなど容易いことだ」
『フハハハ、そうか。これは頼もしいな』
黒田の答えに大首領は満足気な様子で高笑いをした。
そんな中、黒田はヨロイ元帥の方に向き直った。ヨロイ元帥は思わず、身構える。
「…ただ一つだけいいか?頼みがあるんだ。北京支部に珠純子という女がいるんだが…。他の奴はどうしようと構わんがそいつだけは俺にくれ」
黒田は痛々しく腫れた右頬を擦りながらヨロイ元帥に尋ねる。黒田としては純子を手に入れることで自身の征服欲と所有欲を満たしたかったのだ。
一方、ヨロイ元帥は一瞬悩んだ。自身の下僕、それも『元テロリスト』の願いを聞き入れるべきか困りあぐねていたのだ。ヨロイ元帥は大首領に意見を求めた。
「ドリルモグラはこう言っていますが……どうされますか?大首領様」
『まあ、よかろう。好きにするがいい』
大首領から許しをもらい、黒田は嫌らしく微笑った。これから純子を自由にできるという喜びと興奮から来るものだ。
その気色の悪い表情にはドクトルGとヨロイ元帥でさえも嫌悪感を覚えた。
『それではヨロイ元帥、V3及びライダーマン抹殺作戦の実行を命じる。これはショッカーの名誉を取り戻す戦いである。失敗は許されんぞ』
「ハハッ!了解しました。大首領様」
『さぁ、V3、そしてライダーマンよ。精々、足掻いてみせるのだ。虫けら同然に葬り去ってくれるがな!!
フハハハハハハハハ!!!!!』
大首領の高笑いは地下空間にあるあらゆる物に反響し、その場にいる全ての者を畏怖させた。
…この数日後、ショッカーによる抹殺作戦が決行されることを風見達はまだ知らない。
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