父よ、母よ、妹よ 中編
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場が静まり返っているのを確認すると話しだした。
「私めに中国エリアの警察権とV3及びライダーマン抹殺の指揮権をくださりませんか?」
!!!!!!!?????
ドクトルGは顔を真っ赤にして憤然と立ち上がる。
当たり前だ。中国エリアはドクトルGの管轄であり、中国エリアの統治に関わる権限が与えられているのもドクトルGだ。当然、その中には警察権や作戦の指揮権も含まれている。ヨロイ元帥はそれをドクトルGから取り上げ、寄越せと言っているのだ。
彼が激怒しない理由はなかった。
「ヨロイ元帥!ここは俺のエリアだ!余所者がしゃしゃり出ていい場所では―」
ドクトルGがそこまで言った刹那、サソリのレリーフがより濃い怒気を伴って紅く光る。
『誰が発言を許可した!?負け犬は黙っていろ!』
「う……ぅ、分かりました。大首領様」
大首領に叱責され、ドクトルGは驚いたような素振りを見せ、その後、へなへなと再び跪いた。
『…ヨロイ元帥。貴様の願い、聞き入れた。一時的に中国エリアの警察権及びV3・ライダーマン抹殺の指揮権を与える』
「ありがとうございます、大首領様。私はどこぞの無能と違って失敗は致しません」
『うむ、期待しているぞ。貴様なら愚劣な反乱分子を抹殺してくれるだろう』
やり取りを終えるとヨロイ元帥は底意地の悪い笑みを浮かべ、ドクトルGを一瞥する。
そんなヨロイ元帥がドクトルGの怒りの炎に油を注いでいた。
……ドクトルGはそんな心情のせいで思わず"言ってはならない例のこと"を言い返しそうになった。
―結城丈二が裏切った理由を忘れたのか!?お前がくだらん自己保身に走ったせいだぞ!!―
ドクトルGの思索は止まらない。
ヨロイ元帥。彼は大幹部の中でも特異な存在だった。ゾル大佐や死神博士などの他の大幹部が大首領への忠誠を基本としていたのに対し、彼は常に自己保身と組織内での出世しか眼中になかった。また、大幹部の中では人一倍、敵愾心と嫉妬心が強いことでも有名だった。
そんな彼の嫉妬や憎悪の被害者が結城丈二だ。元々、ショッカーの科学グループで出世街道を進んでいた結城は『未来の大幹部』とさえ呼ばれる程の逸材だった。
ヨロイ元帥は後に自身を脅かしかねない彼に『裏切り者』の濡れ衣を着せ、処刑しようとしたのだ。だが、その奸計は結城の助手達の手助けによって失敗。脱走した結城はアンチショッカー同盟に逃拾われ、ライダーマンとなってしまった。
余談だがそれからというもの、第2のライダーマンを生まないために大首領親衛隊が秘密裏に大幹部を査察しているという噂がたった。
それら一連のことを追
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