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『外伝:青』崩壊した世界に来たけど僕はここでもお栄ちゃんにいじめられる
☆いけない少女と夢で再会する話
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「…?」

気がつけば、そこは知らない場所だった。
どうやらここは外みたいで、目の前には噴水。周りには綺麗な花畑。
さらにその先には大きな屋敷が見える。
お金持ちの敷地内、といったところだろうか?
さらに僕は

「なんだろうこれ…。」

黒いワンピースにフリルのついたエプロンを組み合わせた服装、いわゆるメイド服を着ていた。
頭には勿論フリル付きカチューシャが、と思いきや

「…え?」

何かそうじゃないものがついている
不思議に思い噴水を覗き込んでみると水面に映る僕の頭には、
なんと犬耳がついていた。
僕の髪色とおなじ黒い毛色で、ピンとたった犬耳。
さらにまさかかと思い、腰の当たりを触ってみると

「耳だけじゃない…尻尾も生えてる…!」

真っ黒なふさふさの尻尾。
ここで僕は理解した。

「あ、これ夢だ」

と。
だとしても僕には夢でこうなる程犬耳メイドになりたいと言う願望があったのだろうか?
確かに僕はお栄ちゃんの犬になりたいとは常日頃から考えているし、なんなら犬同然に扱って欲しいと考えてる。
しかし、主に従うとは言ってもメイドになりたいと思ったことはない。
でも折角だ。こんな格好をしているんだし夢の中で給仕ごっこを思う存分楽しむとしよう。
とはいっても、1人だけでは楽しみようがない。
メイドは一人じゃ成り立たない。
せめてご主人様が、命令してくれる人がいなければ…。

「気に入ってくれたみたいね。舞さん。」
「…!」

ふと、声が聞こえた。
まだ年端も行かなさそうな、可愛らしくて高い女の子の声。
僕はこの子の声を聞いたことがある。
懐かしさ見たいものを感じ振り返ってみると、彼女はそこにいた。

「アビー…?」

アビゲイル・ウィリアムズ
元いた世界でお世話になり、さらにこの崩壊世界に僕らを飛ばしてくれた恩人だ。

「お久しぶりね。」
「アビー!アビーなんだよね!会いたかったよぉ!!」

嬉しさのあまり彼女に駆け寄り、ぎゅっと抱き上げる。

「わっ、ちょっと!」

袖から出きらない小さな手でてしてしと叩かれ、降ろすよう促される。
渋々下ろしてあげると、彼女は腰に手を当て頬を膨らませて、いかにも怒っているような感じだった。

「もう!子供扱いしないで!今は私があなたのご主人様なの!」
「ご、ご主人様?」
「そう、メイドにはご主人様が必要でしょ?こうやって私があなたの夢の世界にお邪魔したのはね、ただ会うためじゃなくて舞さんと遊ぶため!」

つまり、
会いたくなって遊びたくなったから僕は夢の世界にてアビーに呼ばれたと。

「ふふ…。」
「何がおかしいのかしら?」
「ううん…子供みたいだなって。」
「馬鹿にしないで頂戴!舞さん
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