第一章
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熊と猫の家族
アメリカオレゴン州に野生動物を保護し生きていける様にする為の団体であるワイルドライフ=イメージズ=リハビリテーション=センターという団体がある。この団体は広大な保護区域も持っていることで知られている。
その団体を設立し運営しているデビッド=シドンズは大柄で逞しい長身を持っている黒い目と白髪の男性である。
その彼は施設の森にいる黒い毛のグリズリーを見てスタッフ達に話した。
「ラルフもいい子だよ」
「ええ、あの子ですね」
「線路で保護されましたよね」
「そうでしたね」
「そこで傷付いていて」
「子供の時に保護しましたね」
「すぐに手当てをしたけれど」
線路おそらく列車にはねられての傷は回復したがというのだ。
「しかしね」
「それでもでしたね」
「怪我は治りましたが」
「それでもでしたね」
「あの子は」
「随分甘えん坊だから」
それでというのだ。
「それでだよ」
「今もですね」
「あの子はここにいて」
「それで私達が育てていますね」
「そうしていますね」
「うん、ここはそうした施設でもあるから」
シドンズは自分が創設した施設だからこそ話した。
「それでね」
「はい、ラルフみたいな子もですね」
「育てていきますね」
「そして生を全うしてもらいますね」
「うん、環境は自然だから」
その中だからだというのだ。
「だからね」
「はい、その中でですね」
「生きてもらいますね」
「そしてそのうえで、ですね」
「その生を全うしてもらいますね」
「そうしてもらうよ、ただ」
シドンズは今度は暗い顔になって述べた。
「ここは広くて自然の場所だから」
「犬や猫を捨てに来る人がいますね」
「我々もこの場所を全て常に観ている訳ではないです」
「ですから」
「それで、ですね」
「うん、捨てに来る人を全て止められていないから」
だからだというのだ。
「どうしてもね」
「野良犬や野良猫も増えていますね」
「この区域の中に」
「見付ける度にマイクロチップを付けていますが」
そうしてしっかりと管理はしているがというのだ。
「去勢や不妊の手術もしていますが」
「しかしです」
「なくならないですね」
「そのことがね」
どうしてもとだ、シドンズは述べた。
「困ったことだね」
「全くです」
「自然の中で食べものもあって」
「私達も保護するからという理由で捨てるとは」
「最初から飼わないで欲しいですね」
「そう思うよ」
難しい顔で述べた、そしてだった。
シドンズはラルフだけでなく他の生きもの達も観てそうして育てていった、そしてラルフを観ているとだった。
ある日彼の傍に一匹の猫この区域に捨てられたうちの一匹の生後
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