第二章
[8]前話
「そうなのよ」
「そうですか」
「ええ、じゃあ私達の施設に連れて行って」
「そうしてですね」
「里親を探しましょう」
こう話してだった。
二人はその犬を自分達の施設に連れて行った、そして獣医に診てもらうと痩せていたが病気は特になく。
マイクロチップもなかった、それであった。
「元の飼い主はわからないですね」
「もうそれ込みで、みたいね」
ジュディは学生に暗い顔で述べた。
「捨てたみたいね」
「自分のことがわからない様にですね」
「マイクロチップを最初から入れていないか」
「出してですね」
「捨てたのよ」
「そうですか」
「悪い人もいるわね」
その犬を見ながら話した。
「本当に」
「そうですよね」
「ええ、ただね」
ここでだ、ジュディは。
自分に懐いているその犬を見て学生に話した。
「この子私にかなり懐いているわね」
「ええ、見付けた時から」
学生もその通りだと答えた。
「そうですね」
「だからね」
「それで、ですか」
「私が引き取ってね」
そうしてというのだ。
「一緒に暮らすわ」
「そうされますか」
「これからはね。名前はね」
今度はそちらの話をした。
「男の子で今思いついたけれど」
「どんな名前にしますか?」
「キャリーにするわ」
その名前にするというのだ。
「これからはね」
「それじゃあ」
「ええ、キャリーこれから宜しくね」
「ワン」
キャリーは笑顔で尻尾を振って応えた、そしてだった。
ジュディの家に入って彼女の家族になった。そうしてジュディの両親にもよく懐いたがある日のことだった。
家族が夜にテレビのニュースを観ている時だ、テキサス州で強盗犯が家の人に逆に射殺されたと報道されていた。
ユウキ=タートルという柄の悪いチンピラだった、そのチンピラの死をニュースで観てだった。
キャリーは悲しい顔になった、ジュディはそこで彼の元の飼い主が誰かわかった。だがそのニュースを観てそうした人間に相応しい末路と思っただけだった。そのうえでキャリーの頭を優しく撫でてあげた。
犬捨て公園で 完
2021・3・18
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