第一章
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犬捨て公園で
アメリカテキサス州フォードワースにあるエコー湖公園は評判が悪い。
この公園は人気がない、その為犬を捨てる無責任な輩が多くそれで通称犬捨て公園と呼ばれている。
それで多くのボランティア団体がここで犬の保護活動にあたっているが。
地元の保護団体ザ=アバンドンワンズで活動するジュディ=オブレゴンは毎日この公園を見回っていた。
それもだ。
「朝夕二回回らないと」
「そうですよね」
同僚の学生が困った顔でジュディの言葉に頷いていた。
「本当にここは犬を捨てる人が多いですから」
「捨てる位なら」
ジュディは暗い顔で話した、黒い髪ではっきりした顔立ちでスタイルもいい。面長で灰色が飼った青い目である。
「最初からよ」
「飼わないことですね」
「そうして欲しいわ」
「全くですね」
「捨てられることがどれだけ悲しいか」
「犬にとって」
「そのことを考えないと」
そうしないと、というのだ。
「駄目よ」
「そうですよね」
学生も頷いた、黒がかった金髪で四角い顔をしている、目は薄い青だ。やや太った長身の持ち主である。
「それは僕も思います」
「だからここで活動してるのね」
「はい」
その通りという返事だった。
「捨てられた子が第二の人生を歩める様に」
「幸せな人生をね」
「そうなって欲しいですから」
そう考えるからだというのだ。
「是非です」
「そうね、じゃあね」
「はい、今日もですね」
「回っていきましょう」
こう話してだった。
ジュディは学生と共にこの朝も公園の中を見て回った、すると。
「クゥ〜〜〜ン・・・・・・」
「あの子は」
「間違いないですね」
茶色と白の毛の痩せた中型兼だった、見れば首に紐がある。
その紐を見てだ、学生は言った。
「靴紐みたいですね」
「そうね」
ジュディもその紐を見て言った。
「それね」
「それで、なんですが」
学生は近くのフェンスを見た、するとそこにだ。
同じ靴紐があった、それで彼はジュディに話した。
「あのフェンスにです」
「この子を括りつけていたのね」
「そうみたいですね」
「何とか噛み千切ったみたいですが」
「そうね、じゃあこの子はね」
「保護しますか」
「そうしましょう」
こう話してだった。
二人で犬を保護しようと近付いたが。
犬は人懐っこく二人のところに来てだった。
顔を近付けたジュディの頬をぺろりと舐めた、学生はそれを見て言った。
「いい子ですね」
「そうね」
ジュディもその通りと頷いた。
「この子は」
「そんないい子をですね」
「捨てたのね」
「酷い奴ですね」
「全くよ、多分ね」
ジュディは犬を保護し優
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