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レーヴァティン
第百九十五話 東国攻めその十一

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「殆どの者は奪い襲ってもとはならないな」
「確かに」
「そうなります」
「満腹で抱いた後なら」
 欲を満たした後ならとだ、諸将も言った。
「もうです」
「それ以上とはなりません」
「人は満腹では穏やかになります」
「そして抱いた後でも」
「そうだ、人は持っているとな」 
 そして満たされていると、というのだ。
「それでだ」
「それ以上の欲はなくなる」
「求めなくなりますね」
「確かにそうですね」
「貪欲さがなくなります」
「だからだ、兵達にも食わせてだ」
 そうしてというのだ。
「抱かせる、そして奪い襲うことをだ」
「命じて禁じるだけでなく」
「満たしてもですね」
「そうして行わせない」
「そうしますね」
「そうしている、では俺達も食う」
 麦飯そして共にあるおかずをというのだ、英雄は今主な将達と共に麦飯だけでなく鶏肉や野菜を入れて味噌で味付けした鍋を食べている。
「いいな」
「はい、それでは」
「こうして食べましょう」
「そしてその後で、ですね」
「女にしろ男にしろ」
「抱け、銭もあるな」
 給与も支払っているというのだ。
「そして相手を連れているならな」
「その相手を抱けばいい」
「そうしていいですね」
「後で」
「存分にな、食うな抱くなと言ってもだ」
 そうしてもというのだ。
「それだけで人は収まらないからな」
「だから我等もですね」
「食って抱く」
「そうすればいいですね」
「その様にして」
「俺もそうする」
 英雄自身もというのだ。
「後でな」
「上様もですね」
「その様にされますね」
「この飯の後で」
「そうされますね」
「そうする、そしてだ」
 そのうえでというのだ。
「満たす」
「はい、では」
「その様にされて下さい」
「今宵も」
「俺は女が好きだ」
 にこりともしないがはっきりと言い切った。
「やはりな」
「衆道はされないですが」
「それでもですね」
「上様もそのことは同じですね」
「俺も人間だ」
 これまで以上に強い言葉だった。
「だから飯を食い酒を飲み」
「女も抱く」
「その様にされますね」
「常に」
「人は神ではない、神も飯を食うのだ」
 それならというのだ。
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