第二章
[8]前話
朝食を摂ってからそれぞれ仕事に行った、それから保護センターの人に引き取ってもらうまでの間。
二人はその犬見ればかなり年老いている彼女は二人にすっかり懐いていた、チャーリーとも仲がよかった。それで二人は犬を保護センターに預けてからも暫くはひっきりなしに彼女とセンターに行ってまでして会い。
やがて夫婦で話した。
「懐いているし」
「今もね」
「里親さんも見付からない」
「元飼い犬だったらしくて首輪の跡があるけれど飼い主の人も出ないし」
「それじゃあな」
「私達で引き取りましょう」
「そうしよう」
こう話して二人は老犬を引き取りマギーと名付けて家に迎え入れた、するとマギーは二人だけでなくチャーリーともだった。
暫く厄介になっていた時もそうだったが仲よくなっていてだった。
いつも一緒にいた、やがて二人はもう一匹犬を迎え入れた、今度は茶色の小型で腹等が白い垂れ耳の犬だった。やはり垂れ耳で名前はモコと名付けた。
そのモコともだった、マギーは。
「ワン」
「ワンワン」
すぐに仲よくなった、そして。
チャーリーともだ、これまで通りだった。
「ワンワン」
「ワンッ」
仲がよかった、マギーは一家のお婆さんとして夫婦だけでなく二匹共仲がよく場を和ませてくれた。そのマギーを見てだった。
妻は夫にこう話した。
「マギーが来てくれて」
「うちはさらによくなったよ」
「そうよね、優しくて穏やかで」
「僕達だけでなくチャーリーやモコにもとても優しくて」
「絶対に怒らないでいつも寄り添ってくれるから」
「本当に素晴らしいよ」
「これまでどうしていたのかはわからないけれど」
マギーの過去は不明だというのだ。
「けれどね」
「それでもだね」
「マギーがうちに来てくれてよかったわ」
「全くだね、マギーは僕達を選んでくれた」
「そのことが嬉しいわね」
「こんないい娘がうちに来てくれたから」
「感謝しかないわ」
二匹と寄り添い合って一緒に家の中で寝ているマギーを見ながら話した。
「だからこれからもね」
「マギーと一緒にいようね」
「そしてこの娘にとっていい思い出を沢山作ってあげましょう」
「じゃあ今度は家族でキャンプに行こう」
「いいわね」
妻は夫の言葉に笑顔で頷いた、そうしてだった。
一家全員でキャンプに行った、するとそこでもマギーは夫婦と二匹の傍にいつもいた。皆その彼女を見て笑顔になった。一家のお婆さんとしていつも一緒にいてくれる彼女を。
老犬の役割 完
2021・3・17
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