第二章
[8]前話
ケシャのことは聞いていた、保護された時はかなり弱っていて長くないと思われた、だがその中で必死に生きて。
今もだった、食事も水もだった。
必死に食べて飲んで動き回っていた、それはまさに必死に生きようとしている行動だった。まだ体は弱かったがそれでもだった。
彼は生きようとしていた、弱い身体でもだった。その彼をいつも見て共に暮らしているうちに。
ララミーは自分と彼の姿を重ね合わせた、もっと言えば猫はそうしているが自分はどうなのかと思った。それでだった。
友人にだ、こう言った。
「私も頑張るわ」
「生きるのね」
「生きる気力がまた出て来たわ」
こう友人に話した。
「ケシャと一緒に暮らして見ているうちにね」
「そうなったのね」
「ええ、だからね」
まだ俯いている、しかし目の光は明るくなりだしていた。その中での言葉だ。
「そうしていくわ」
「頑張ってくれるのね」
「これからどうなるかわからないけれど」
再発はある、それは覚悟しているがというのだ。
「頑張って生きるわ」
「あの子と一緒に」
「ケシャとね、ケシャも頑張ってるから」
さからだというのだ。
「私もね」
「そうしてね、やっぱりどんな状況でもね」
「生きる気力は持つべきね」
「そう、命があるなら」
それならというのだ。
「もう最後の最後までね」
「生きることね」
「この子もそうしてるし」
友人はケシャを見た、みれば彼は今はララミーの膝の上にいる。毛並みはよくなり身体もかなり大きくなってきている。
「だから貴女もね」
「一緒にそうしていくわ」
「そうしてね」
「ええ、ケシャこれからも宜しくね」
「ニャア」
ケシャはララミーが撫でると喉を鳴らして応えた、そして。
暫くするとララミーの膝の上から離れご飯を食べに行った、ララミーはその彼を見てまた友人に話した。
「ケシャみたいに生きていくわね」
「約束してくれるかしら」
「ケシャを見たから」
それでというのだ。
「そうしていくわ」
「それじゃあね」
「頑張っていくわ」
こう言ってだった。
ララミーは牛乳と野菜ジュースを飲んだ。味を楽しみして栄養を補給する為だ。ケシャと共に生きたくて飲んだそれはとても美味しかった。
生きる気力を取り戻し 完
2021・3・17
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