第二章
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「幸い食べものも持っていますし」
「ご飯もですね」
「あげて」
そしてというのだ。
「助けてあげましょう」
「それでは」
ガイドさんも反対しなかった、そうしてだった。
廃墟に入ると犬がいた、犬は二人を見ると。
怯えた顔で縮こまった、キアラはそれを見て確信した。
「間違いないですね」
「これまで随分と酷い目に遭ってきましたね」
「どう見ても野良犬ですから」
だからだというのだ。
「虐待もです」
「されてきて」
「それで」
その為にというのだ。
「怪我もです」
「しましたね」
「そうですね、じゃあまずは」
「ご飯をですね」
「あげます」
自分のバッグからパンを出した、そして。
キアラはそのパンを犬に差し出して優しい笑顔で言った。
「食べていいわよ」
「クゥン」
「遠慮しないでね」
「ワン・・・・・・」
キアラと共にいた彼女の家族も言った。
「ここまで傷付くなんて」
「酷いことをする人がいるものだ」
「悪人は何処でもいるわね」
「本当にそうだな」
「そうね、この子と知り合ったのも縁だから」
それでとだ、キアラは家族にも話した。
「是非ね」
「ええ、この子はね」
「旅行の間出来ることをしよう」
「そうされますか」
ガイドは家族の話を聞いてキアラに確認を取った。
「ここは」
「はい、そうさせて下さい」
「絶対に」
「このままではこの子は死ぬかも知れないですから」
「そうですね、背骨が折れる位の怪我です」
ガイドも真剣な顔で述べた。
「放ってはおけないですね」
「それじゃあ」
「この旅行の間毎日この子のところにも案内させてもらいます」
「そうしてくれますね」
「車があればすぐですから」
キアラに微笑んで答えた。
「それでは」
「お願いします」
こう話してだった。
キアラは毎日この大怪我をしている犬のところに行ってご飯や水をあげた、犬は誰もいない廃墟となった納屋に基本ずっといて。
いつも何かに怯えて震えていたがキアラ達がくれる食事や水を受けてだった。
生きていった、キアラ達は旅行の間そうしていたが。
島を去る時に家族で話してだった、キアラはガイドに言った。
「あの子を引き取ってです」
「オランダにですか」
「連れて帰って家族にしたいですが」
こう申し出たのだった。
「宜しいでしょうか」
「同じEUの中なので移動も楽ですし」
「はい、ですから」
「ではすぐに引き取る手続きをですね」
「させて下さい」
「わかりました」
ガイドは真剣な顔で言うキアラに優しい笑顔で応えた、こうしてだった。
犬はキアラと彼女の家族にオランダまで連れて行かれた、そうして。
フォスと名付けられすぐに病院に連れて行かれ
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