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おぢばにおかえり
第六十三話 お家に帰ってその三

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「私はそう思っていてもね」
「他の人はですね」
「謙虚だって言うのよね」
 本当に不思議なことにです。
「何故か」
「それはあれですね」
「あれっていうと?」
「僕は先輩に対してはですね」
「図々しいっていうの」
「そうなんですよ」
「なら余計に駄目でしょ」
 私は阿波野君にむっとしたお顔で言いました。
「余計に」
「誰に対してもですね」
「謙虚でないと」 
 こう阿波野君に言いました。
「そもそも」
「感謝、慎み、助け合いですね」
「そのうちの二つがね」
「感謝と慎みですね」
「謙虚になるから」
 阿波野君にさらに言いました。
「だからね」
「謙虚でないと駄目ですか」
「こうまんにもなるし」
 八つのほこりの中のそれもお話に出しました。
「よくないから」
「だからですか」
「阿波野君はもっと謙虚になるべきよ、ただ」
 それでもです。
「皆謙虚って言うのよね」
「先輩以外の人はそうですね」
「お父さんやお母さんも」
「天下茶屋にいるおばちゃん達にはかなり甘えてますけれどね」
「阿波野君の大叔母さんね」
「二人もおみちの人なんです」
 どうも阿波野君にとってこの人達はもう一人ではなくもう二人のお祖母さんの様な人達だと思いました、お話する時のお顔を見ると。
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