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ドリトル先生と不思議な蛸
第五幕その九

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「偽札に覚醒剤に手を出していて」
「テロもやるし」
「そんなことばかりでね」
「何処が支持出来るのか」
「誰もがおかしいって思うよ」
「そんな国の体制はよくて日本の皇室は駄目なのは」
 このことはというのです。
「どう考えても矛盾しているね」
「誰がどう見てもね」
「この伊勢神宮でも思うわ」
「ここはその皇室の社だし」
「余計にね」
「僕は絶対にこんな人になりたくないってね」
 その様にというのです。
「その人、まだ二十歳位だったけれどその人と話をして思ったよ」
「二十歳でそれ?」
「子供でもわかることがわかっていないのに」
「その二十年どうして生きていたの?」
「おかし過ぎるよ」
「だから思ったよ、こうはなるまいってね」
 その人を見てというのです。
「お話をしたその時にね」
「そうだよね」
「そんな人が学問してもおかしなことにしかならないし」
「もう根っこがおかしいから」
「そうしかならないわ」
「どう考えても」
「そう思うからね」
 それだけにというのです。
「僕はこうした人には何があってもなってはいけない」
「そう思ったのね」
「いいことだと思うわ」
「正直そんな人になったらね」
「カルト教団を信じる人と同じだから」
「それはそれでね」
「そう、カルトを信じてもいけないし」
 それと共にというのです。
「無神論から間違ってもね」
「同じだね」
「全く違う様でね」
「それはそれで同じ」
「そういうことね」
「そう肝に銘じているよ」
 ただ思うだけでなくというのです。
 こうしたお話もしてです、先生は鳥羽に戻りました。鳥羽に戻るとすぐにその海が目に入りました。
 その海、夕方の海を見て先生は言いました。
「やっぱり奇麗だね」
「そうよね」
「鳥羽の海はね」
「凄く澄んでいてね」
「しかも今は夕暮れの光で赤くなっていて」
「赤と銀でね」
「この波の銀もいいね」
 皆もその海を見て先生に続きます。
「普通に奇麗よね」
「じゃあこの海を見てね」
「ホテルに戻ろう」
「そしてまた美味しいものを食べて」
「それでお酒も飲もうね」
「そうしようね、今日のお刺身は何かな」
 もうそのことが楽しみになっている先生でした。
「一体ね」
「伊勢海老、ハマチだったし」
「今度は何かしらね」
「鯛かもね」
「あのお魚も美味しいし」
「そうだね、お造りといっても色々だけれど」 
 それでもというのです。
「お魚の種類は」
「海老もあるしね」
「それも貝も」
「色々あるから」
「楽しみだね」
「全くだよ、あとお昼にはね」
 こうも言う先生でした。
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