暁 〜小説投稿サイト〜
安楽死直前だったけれど
第一章
[1/2]

[1] 最後 [2]次話
                安楽死直前だったけれど
 アメリカのペンシルバニア州フィラデルフィアでのことだ。
 ケイラ=フィルーン、働きつつボランティアで保護犬の散歩を施設から受け持っている彼女黒髪を上でまとめていて黒い目を持っていて整った顔立ちを持っている彼女は施設にいた茶色と白の雄のピットブルを見て施設の人に問うた。
「この子は人馴れしていますね」
「はい、どうもです」
 施設の人はケイラにすぐに話した。
「以前飼われていた様で」
「それで、ですか」
「人にはです」
「馴れていますか」
「はい、ただ」
 その犬を見つつだ、施設の人はケイラに話した。
「病気で」
「尻尾や耳の毛はないですね」
「そして気が弱くて」
「怯えている感じがしますね」
「飼われていても」
 それでもというのだ。
「捨てられてそれからは」
「一匹で暮らしていましたか」
「それでこちらに保護されましたが」
「気の毒な子ですね」
「ええ、それで今日は」
「この子のお散歩をですか」
「してくれますか」
 こうケイラに頼んだ。
「そうしてくれますか」
「わかりました」
 ケイラは施設の人の言葉に頷いた、そして。
 ラスと名付けられているその犬と散歩をした、すると。
 ラスはケイラによく懐きケイラもだった。
 ラスに運命的な非常に強い親しみを感じた、それで散歩の後で施設の人に尋ねた。
「この子も家族をですね」
「募集しています」
「そうですね」
「ここにいる子達は皆そうですが」
「この子もで」
「はい、ですが我が国ではピットブルは人気がないですよね」
 施設の人は困った顔で話した。
「左様ですね」
「それでは」
「しかも病気を持っていて弱っているので」
「殺処分もですか」
「有り得ます、出来るだけ多くの子を助けたくても」 
 それでもとだ、施設の人はさらに話した。
「この施設にも収容出来る限りがありますし」
「里親がいないとですね」
「殺処分も」
 この悲しい現実もというのだ。
「有り得るのがです」
「現実ですね」
「はい」 
 まさにというのだ。 
「残念ですが」
「そうですか」
「若しこの子を里親に迎えられたいという人がおられるならいいですが」
「ピットブルは人気がないので」
「しかも病気なので」
「そうですか」
「果たしてどうなるか」
 施設の人は心配そうだった、そして。
 実際に殺処分の話が出た時にだった。
 ラスも候補に出た、ケイラはその話を聞いてすぐに施設の人に言った。
「なら私がラスを」
「お家に迎えてくれますか」
「はい」
 一も二もないという返事だった。
「そうさせてもらいます」
「ならお願いします」
 施設の人は名乗り出たケイラに渡り
[1] 最後 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ