暁 〜小説投稿サイト〜
タイヤのところに
第三章

[8]前話
「それで今度アクセルとね」
「姉妹だから」
「顔合わせをしようかって言ってきたけれど」
「いいわね」
 妻は夫の言葉に笑顔で応えた。
「じゃあ今度」
「うちに来てもらおうか」
「それがいいわね、けれどね」
「けれど?」
「アクセルがタイヤにしがみついていて」 
 トラックのそこにというのだ。
「その姿をあなたも私も見て」
「それでうちに来てもらってだね」
「本当によかったわ」
 こう言うのだった。
「アクセルも助かったし」
「僕達もだね」
「新しい素晴らしい家族を得られて」
 それでというのだ。
「最高よ」
「そうだね、あの時あの姿のアクセルを見て」
 笑顔でだ、夫も応えた。
「全てがはじまったよ」
「そうよね」
「あの時アクセルはタイヤにしがみついていたけれど」
 その時はそうだったがというのだ。
「けれどね」
「けれど?」
「それは家族を求めてだったのかな」
「お母さんと別れて」
「そう、そしてね」
 そしてというのだ。
「僕達という家族を得られて」
「願いは適ったわね」
「そうだね、そして今度は」
「自分の姉妹とね」
「会ってもらうことね」
「そうしよう」
 こう話してだった。
 アクセルは今度は自分の姉妹と再会した、すると四匹はすぐに楽しそうに遊んだ。夫婦も三匹を連れて来た同僚もそんな彼等を見て笑顔になった。


タイヤのところに   完


                2021・3・16
[8]前話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ