燃え盛る焔《ほむら》
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なくなっていた。
「くそっ!」
ウィザードは右手を交わし、全身でそれを抑える。
「熱っ!」
しかし、常に炎が噴き出るその体に、ウィザードは耐えることができなかった。蒸発した青部分をはたき、ほむらから離れる。
「どけハルト!」
ウィザードに代わり、ビーストがほむらへ接近戦を挑む。蹴り、ダイスサーベル。ビーストの荒々しい攻撃に対し、ほむらはほとんど避けることなく、それを体に受けた。
「おいおい、嘘だろ……!?」
ビーストの驚きと同じ感想を、ウィザードも抱いていた。ビーストの攻撃を受けても、華奢な体格のほむらは微動だにしない。
あの赤いアーマーが、それだけの防御力を持っているということだった。
___ダイナキャノン___
ほむらの右手から、炎の砲弾が発射された。それはビーストを爆発させ、その体を河原でバウンドさせる。
「コウスケ!」
「大丈夫だ!」
爆炎から復活したビーストだが、その金色の鎧は、見るも無残なまでに傷ついていた。
やがて膝から崩れたビーストを見て、ウィザードはもう一度ほむらへ挑む。
「次はこれだ!」
『バインド プリーズ』
彼女の周囲に現れた魔法陣より出現した水の鎖。それはほむらの体を包むと同時に蒸発した。
「だったら!」
『チョーイイネ ブリザード サイコー』
ウィザード、ウォータースタイルの必殺技の一つ。魔法陣より放たれた冷気が、ほむらを一気に冷やしていく。
「よし、これなら……!」
とウィザードが思ったのも束の間。
ほむらの体から再び炎が噴き出し、冷気は魔法陣ごと消滅させられる。その姿は、まさに彼女の名前にたがわぬ焔の姿だった。
「あああああああああああああああああああ!」
悲鳴のような声を上げながら、ほむらの腕の口が開く。灼熱の力が空気を焦がし、一気に彼女の右腕に吸収されていく。
「……まずい!」
炎の流れが変わった。ウィザードは急いで、ハンドオーサーを動かす。
『ルパッチマジックタッチゴー ルパッチマジックタッチゴー』
足のマークが描かれた指輪で、最強の水の魔法陣が出現した。
『チョーイイネ キックストライク サイコー』
___ジェノサイドブレイザー___
それを宣言したのは、ほむらの口か、右腕の口か。
ほむらの腕より発射された超巨大熱線に向かって、ウィザードは水の蹴りを放つ。
巨大な魔法陣を足場にした蹴りは、向かってくる炎に対し、徐々に蒸気となっていくが、それでも少しずつほむらへ近づいていく。
「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!」
ウィザードは大声を上げる。だが、ジェノサイドブレイザーはまだ
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