燃え盛る焔《ほむら》
[3/6]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
誰かの力を借りるなど、オレにはできなくてね」
「へえ。でも、参戦派なんだろ? だったら、俺は君を止める」
「……」
「おい、来るぞ!」
ビーストが叫んだ。
同時に、遺跡があった山は崩壊する。
地獄の炎が沸き上がったかのように燃えあがり、その中から赤い光が流星となり、ウィザードたちの前に着地する。
「ほむら……ちゃん?」
それは、確かにほむらだった。顔は、ほむらの顔だった。
だが、彼女の姿は冒険家の姿でも、ましてや魔法少女の姿でもない。
炎を纏った魔人。
小山のようにがっちりとした鎧と、雄々しい龍のような角。右手はまさに恐竜のような顔が付いており、そこから吐き出される息はまさに炎となっていた。
「があああああああああああああああああああああああ」
ほむらが咆哮すると同時に、山が震える。それは川を一気に干上がらせ、山々を炎に包みこんでいった。
「おいおい、これヤバいぞ!」
「とにかく止めよう!」
ウィザードは慌ててサファイアの指輪を使う。見習って、ビーストもイルカの指輪をはめた。
『ウォーター プリーズ スイ〜スイ〜スイ〜』
『ドルフィン ゴー ド ド ド ドルフィン』
水属性のウィザードとビーストは、共に暴走するほむらへ駆けつける。
その背後で、キャスターは謎の戦士を見下ろしていた。
「貴方は、何者?」
「貴様に答える理由はない」
「……なら、なぜオーパーツをマスターが手に入れることを許した?」
「力に溺れ、破滅するだけだろう。ならば、オレが止める必要もないと思っただけだ」
「うわああああああああああ!」
ほむらの右手の口から、炎が発射された。それは木々を焼き尽くし、アスファルトさえもドロドロの粘土と化す。
『ウォーター シューティングストライク』
ウィザーソードガンに貯まる青い水の魔力。それを上空に打ち出し、周囲に簡易的な雨を降らせるが、好天候なのも相まって、焼け石に水にもならない。
「くそ、炎が強すぎる!」
「みなまで言うな! オレも手伝うぜ!」
ビーストはダイスサーベルのマス目を回転させ、指輪を入れる。
『5 ドルフィン セイバーストライク』
五体のイルカたちが、水でできた体で体当たりをすることで消火活動を行っている。だが、火の手は収まることを知らず、どんどん広がっていく。
「うがああああああああああ!」
もはやそれは少女の声なのだろうか。
ほむらはウィザードへ直接殴り込みをかけてきた。恐竜の顔をした拳は、盾にしたウィザーソードガンを通じて、ウィザード本体にも大きなダメージを与えてくる。
それも一撃だけではない。何度も何度も拳で殴られ、ウィザードは耐えられ
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ