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魔法絶唱シンフォギア・ウィザード 〜歌と魔法が起こす奇跡〜
G編
第71話:戦闘で説得
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顔は苦悶に歪んでいる。

「く、うぅ……あ――!?」

 響の体に負担が掛かる。当然だ。これは今まで練習で成功した事のない技。負担の大きさに毎回耐え切れず、失敗を繰り返してきた。しかもその時は、もしもという事を考えて奏を抜きにしてやってきたのだ。

 だが今は泣き言を言っていられない。何としてでも成功させなければ、外に居る観客達が危険なのだ。
 幸いにして、颯人に目立った異常は見られない。絶唱の負担の集約自体は上手くいっている証拠だ。

 後は、安定させるだけ。

 その時、戦場にヴァイオリンの音色が響いた。まさかと思いクリスが上を見上げると、そこにはライドスクレイパーに跨ってカリヴァイオリンを弾いている透の姿があった。
 この非常時に、彼も黙って見ている事が出来ず痛む体に無理をして彼女達のサポートに回ったのだ。

 お陰でぶっつけ本番の4人同時絶唱はを安定させることに成功した。

『Gatrandis babel ziggurat edenal Emustolronzen fine el zizzl――』

 絶唱を唄い終わった瞬間、集約されたエネルギーは強大な奔流となった。

「スパーブソングッ!」
「コンビネーションアーツッ!」
「セット、ハーモニクスッ!!」

 要となっている響の胸にある傷跡が、ギアの内側から光り輝く。

 束ねられた4つの音色は、虹色の光を放ち響の体に集束していく。
 この時点で余波で何体か消し飛んだ。

「うああああああああッ!?」
「耐えろ、立花ッ!」
「頑張れ!」
「気合いだッ! 踏ん張れッ!」

 自分の中で暴れるエネルギーに苦しむ響に、奏達の激励が飛ぶ。

 4人の絶唱を響が調律し、一つのハーモニーと化す大技。その名もS2CA・クアッドバースト。
 これまで使用されれば反動が凄まじいからと、殆ど使われる事の無かった絶唱の負担を限りなく小さくすることを可能とした技である。負担が小さくなっても、威力は変わらずそれどころか倍増した力を発揮可能と言うまさにとっておきのとっておきだ。

 ただし、その調律を可能とするのは響だけであり、それ故に負担は全て響1人に集中してしまう。

 それでも響は耐えた。これが己に出来る事と、悲鳴を上げる体に鞭打って響は己の中で暴れるエネルギーを抑え込んでみせた。

 その鋼の様な精神が負担に勝った。周囲の分裂増殖を繰り返していたノイズは全て消し飛び、残るはまるで脊髄の様にひょろっちいノイズの本体のみ。

「今だッ!」
「レディ――!!」

 響のギアのプロテクターが脚部から順に展開され、両腕を合わせると奏やマリアの様にプロテクターが一つに合体した。
 ただしそこから槍のアームドギアになる事は無い。プロテ
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