第十三話―雲間
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にした。
〜〜〜〜〜
「ツナ!?あなた,どうして……一人であちこち動き回ってはいけないと,いつも言ってるでしょう。」
「おじーさまが,このはびょういんにいるって。」
綱手は,無垢な顔で祖母を見上げている。
「誰がそれを……」
言いかけたミトであったが,すぐに詮索を諦める。この無邪気な表情を前にして,隠し事ができる人間がどれほどいるというのか。
「お祖父様に会いに来たのね……でも,今は少しゆっくり寝ているところなの。会うのはまた目が覚めてからにしましょう。」
「あいたい。」
その言葉に,ミトもまた小さくため息をついた。
「仕方ないわね……良いわ,すぐそこだから着いて来て。その代わり,静かにしてるのよ。お祖父様を起こしちゃだめ。」
ミトが歩き出すと,綱手はぴったりとその後ろに着く。
「あなた,こっちの方向から来たんでしょ?途中で通り過ぎてるわ。」
「じがよめなかった。」
やがて"木ノ葉病院"と大きく書かれた看板が見えてきた。中に入り,柱間の病室を目指す。
「ミト様!綱手様!」
途中で幾人かの医療忍者が,この火影の二人の親族の来訪に気付く。
「柱間の容態はどうです?」
「相変わらずです……。どうぞ,お入りください。今はもう必要最小限の処置のみ行い,あとは安静にしてただ回復を待つだけですので……。」
ベッドに柱間が横たわっていた。術式の書かれた包帯や,体に繋がれたチューブは最初の頃に比べると随分と少なくなっているようだ。
「おじーさま。」
祖父の姿を見た綱手は,ミトの言いつけを守るように小さくそう発してからしばらく沈黙した。やがて,柱間の片手が布団から少し出ているのを見つけ,綱手は静かにその手を握る。
「おじーさま……。」
すると……
ポゥ……
握った綱手の手から,柔らかい光が発せられた。ミトはそれを見て驚く。
「ツナ……?あなた……」
周囲に居た医療忍者たちも,あまりの驚きに言葉を発することが出来ずにいた。
(……!?これは……医療忍術……?まさか,無意識に……)
(いや,これは……医療忍術とは少し違うような……)
――どこかの国には,生命そのものを吹き込む医術が存在する……
「……!ツナっ,やめなさいっ!」
突然,ミトはハッと思い当たって,慌てて綱手の手を柱間から引きはがした。
「……?おばーさま?」
自分がやっていることに全く自覚のない綱手は,不思議そうな表情でミトを見上げる。
「ダメよ,それ以上やったら……あなたの命が危ないわ……。」
ミトは綱手の手を包むように握って言う。
その時である。
ピクッ……
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