第五話 蛇
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二番手は、リエンが務める。リエンとドルフ、二人が悩んだのは、この二番手を二人のどちらが務めるか、だった。ボウガンを担いだユニを後方に配置するのは確定しているが、最後尾では後方からの奇襲に対して安全策を用意できない。
そのため、二人のどちらかを最後尾、四番手に配置することを決めたはいいものの、片手剣使いであるリエンと両手剣使いであるドルフ、どちらも攻撃と防御の両方を兼ね備えたハンターだ。どちらを前にしたようがより良く調査できるか、これを決めるのに時間がかかった。
結果、本来のパーティメンバーであるリエンを二番手に配置することで、ラッセルとの連携を強化することにした。ドルフは今回限りの臨時メンバーで、ソロハンター。四番手に配置したとしても、彼本来の力が阻害されることはない。
「……古い塔、っていうくらいだから、どんなもんかと思ってたけど、想像以上にボロいんだね」
塔に入って少し進んでから、ユニがそう呟いた。
この場にいる者は皆、ドルフでさえ、古塔の調査に挑むのはこれが初めての経験だ。塔内部の情報も、話に聞くことはあったが、話に聞くのと実際に見るのとでは、また景色も違ってくる。
至る所に苔が生え、どこから生えてきているのか、石と石の間からは木々の枝が伸びていた。柱の一部は崩壊し、既にその役目を果たしてはいない。
押せばすぐにでも崩壊してしまいそうなのに、全体としての形は保っている。古代人の技術力が、いかに高かったかということが分かる建造物だ。
「しかし、塔っていうからには、すぐに階段が始まるもんかと思ったが……中は広いんだな」
「うん。まずは階段を探さないと」
リエン達がそんな会話を繰り広げる中、ドルフは静かに、感覚を研ぎ澄ませていた。
十年前、この塔に金火竜が現れてから、ベラーナ村では時折、塔の話を聞く機会があった。塔内部には大型モンスターは勿論のこと、小型モンスターも生息している。強大な力と堅牢な外殻を持つ大型モンスターと違って、小型モンスターは塔を包んでいる嵐を突破できないため、基本的には内部での繁殖が数を増やす主な要因となる。
しかし、塔内部は広いとは言っても、大自然に比べれば閉塞した空間。小型モンスターの食糧は、同じく小型モンスターであり、塔に生息するモンスターは縄張り争いで雌雄を決している。閉塞した古塔であればその頻度も高くなり、生き残るためには力を付けなければならない。
そのため、塔内部に生息するモンスターは、外の世界に生息するモンスターよりも強力である、というのが、ハンター達の間での常識である。好戦的として代表的な小型モンスター、ランポスやファンゴも、塔の外の個体と比べて遥かに強力であるとされている。
そして、もう一種。塔に踏み入れた
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