外伝〜連合の思惑〜 後篇
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に対する一定の配慮をクロスベルがする必要がある”のだと判断しているのではないでしょうか?」
「そうですね……ディル=リフィーナと違い、ゼムリア大陸は”国際社会”なのですから、他国との国交を結ばず、孤立した国家等国として存続させることは現実的に考えて不可能です。」
ミュゼの推測に頷いたエリゼは静かな表情で続きを答えた。
「それともう一つは単純な理由として、クロスベルが統治する領土を減らす事で早期に建国したばかりのクロスベル全土の統治状態を良好にすることも狙いの一つかもしれませんわ。」
「え……ですが、クロスベル――――――いえ、ヴァイスハイト陛下とギュランドロス陛下は二大国を呑み込む事でクロスベルを大国へと成り上がらせようとしていますわよね?実際、既に旧カルバード共和国を呑み込んでクロスベルの領土とした訳ですし……」
ミュゼが口にしたもう一つの推測を聞いたセレーネは自身の疑問を口にして指摘した。
「……それに関してだが恐らく内政に強いかつエレボニアの領土を統治する上で必要な人材が不足しているからじゃないか?エレボニアはカルバードと違って、貴族達によって領土を統治されてきたのだから、幾ら何でもそれを完全に変えてしまえばオズボーン宰相のように貴族達の反感を買って、領土の統治どころか最悪内戦に発展しかねないのだから早期に戦争で得た領土の統治を良好にしたいクロスベルにとってはそんな暴挙はできないと思うし。」
「ええ。ラマールはヴァイスハイト陛下の第一側妃として嫁がれたユーディお姉様とクロスベル皇家が”クロスベル側のカイエン公爵家次期当主”として内定しているキュアさんの存在によってある程度の数のラマールの貴族達も納得せざるをえないでしょうが、ノルティアはノルティアの貴族達を納得せざるを得ない人物をクロスベル帝国政府もしくは皇家に引き込んでいないのですから、ノルティア州の領土の一部はともかくノルティア州全土の統治には時間がかかると思われますわ。」
「”ノルティア州の貴族達が納得せざるを得ない人物”というと……」
「”四大名門”の一角にしてノルティア州統括領主である”ログナー侯爵家”か。」
リィンの推測とリィンに続くように説明したミュゼの推測を聞いたアルティナとクルトはそれぞれ静かな表情で呟き
「今までの話を纏めて判断すると、今回の戦争でエレボニアが敗戦してもエレボニアが存続できる可能性は決して低くないという事ですわね……!」
「ああ、そうなるな。」
アルフィンは明るい表情で声を上げ、アルフィンの言葉にリィンは静かな表情で頷いた。
「”そうなるな”って……意外と冷静じゃねぇか。お前、エレボニアを救うためにメンフィル帝国軍に戻って、その目的が現実にするのも”夢物語”じゃない
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