外伝〜連合の思惑〜 後篇
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して、今回の要請の件でメンフィル帝国もそうだがクロスベル帝国も”エレボニア帝国の存続”を容認する事を考えている可能性がある事がわかったのが、リィン達にとって一番の収穫じゃねぇのか?」
「え……それはどういう事なのでしょうか?」
フォルデの話を聞いて驚いたアルフィンは戸惑いの表情で訊ねた。
「連合がこの戦争でエレボニアを滅亡させるつもりだったら、エレボニアを存続させる為に戦場での手柄を求めているリィンにわざわざ手柄――――――それも、大軍相手に僅かな戦力で撃退したみたいな大手柄をたてさせることなんてしねぇだろ?」
「あ………」
「確かに言われてみればそうですね……」
「はい。そもそもメンフィル帝国がエレボニアを”本気”で滅亡させるつもりであるのならば、リィンさんを”灰獅子隊”の”軍団長”に任命しないでしょうし。」
フォルデの説明を聞いたアルフィンは呆けた声を出し、クルトは考え込みながら呟き、クルトに続くようにアルティナは自身の推測を口にした。
「お兄様はあまり驚かれていないようですが……もしかして気づかれていたのですか?」
「ああ。老師から教わっていた”観の眼”のお陰で、”灰獅子隊”として本格的に活動し始めた頃あたりには気づけたよ。」
「”観の眼”とはどういうものなんですか?」
セレーネの質問に答えたリィンの答えが気になったステラは不思議そうな表情で訊ねた。
「”観の眼”とは”あらゆる先入観を排し、あるがままを見て本質を捉えるという思考法、あるいは境地”の事です。兄様の洞察力や気配察知が優れているのはこの”観の眼”を修めているからでもあります。」
「”八葉一刀流”はそのような境地を修めているのですか……」
リィンの代わりに答えたエリゼの説明を聞いたクルトは興味深そうな表情を浮かべた。
「……ミルディーヌ。貴女の事だから、貴女も兄様のように連合の思惑について気づいていたのじゃないかしら?」
「フフ、さすがは私の事をよくわかっているエリス先輩ですわ♪――――――私は”連合が戦後エレボニア帝国を存続させる事も考えている事についてはユーディお姉様達とアリシア女王陛下達にご挨拶する機会を頂いた時点で気づきましたわ。”」
「君はそんなにも前から連合のエレボニアの存亡をどうするかについての思惑に気づいていたのか……」
真剣な表情を浮かべたエリスに訊ねられたミュゼは苦笑しながら答え、ミュゼの答えを聞いたクルトは驚きの表情でミュゼを見つめた。
「リィンさんもそうですが、ミュゼさんも連合がリィンさんの件がなくても戦後エレボニアを存続させるかもしれないと思ったのでしょうか?」
「そうだな……いくつか推測はあるが一つはメンフィル帝国が
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