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モンスターハンター 隻腕のドルフ
第四話 出立
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 そして、上位ハンターの中でも、ソロで活動するハンターというのは極めて数が少ない。理由は至極単純で、モンスターの強さが、ハンター一人で対処できる範疇を超えているからだ。リエン達がパーティを組んでいるのもそれが理由である。

 ドルフ自身、あまり自覚はないが……ハンター業に詳しい人間であれば、いかにドルフが異常なハンターであるかはすぐに分かるだろう。

「謙遜も、あまり過ぎると毒になるよ」
「謙遜のつもりはないが……心に留めておこう」

 リエンの忠告に、ドルフは素直に耳を傾けた。


「というか、何でソロなの? パーティ組めば、狩りももっと楽になるんじゃない?」


 と、ユニが最もらしい質問を投げかける。

「別に、特別な理由でもないが……まあ、昔憧れていたハンターも、ソロハンターだったというだけだ。それに、俺はどうやら嫌われているらしい」
「あー、確かに。結構ズバズバ言うし、感じも悪いっちゃ悪いよね」

 黄昏れるように言ったドルフの背中に、ストレートに告げたユニの言葉が突き刺さる。初対面の人間から見ても、彼は感じの悪い人間らしい。

「でも、悪い奴じゃないよ。同じハンターだから、目を見れば分かる」
「そう言ってくれて助かる」
「うむ。あとはもう少し、他人を思いやる心があれば言うことなしだな」
「……覚えておこう」

 彼らは先程から、ドルフを貶しているのか褒めているのか、どちらなのだろう。彼にも、それが分からない。


「まあ……臨時とはいえ、僕達はパーティの仲間なんだ。短い間だけどよろしく頼むよ、ドルフ」
「ああ。こちらこそ、よろしく頼む」

 きっと、感じの良い人間というのは、リエンのような奴のことを言うのだろう。これを目指すのは、少々骨が折れる。

 残った肉を切り分けながら、ドルフは心の中でそう思った。





「じゃあ、また明日」
「寝坊しないでよ」
「ああ」

 親睦会という名の食事会を終え、ドルフは四人と別れた。結局、カジンは終始機嫌を悪くしたままだったが、ドルフにとっては関係のない話だ。


 すっかり、暗くなってしまった。明日の朝は早い。今日は準備だけ整えて、早めに休んだ方が良さそうだ。だが、その前に、ドルフには行っておきたい場所があった。工房だ。今から新たな装備を仕立ててもらうことは難しいが、調査に出るという報告だけは、済ませておきたかった。

 工房へ足を進め、扉を開くドルフ。時間も遅いからか、他に客はいない。

「よう、バーク」
「お? どうした、ドルフ。こんな時間に珍しいな」

 丁度休憩をしていたのか、バーク達職人は水を飲みながら談笑していた。

「話があってな。今、いいか?」
「おう。どうした、改まって」

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