ムーの遺産
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パーツ。ムーを崇める民族の一つが、古代の恐竜たちを模して作り上げた石。そして、この石を使って作られた武器は、ただの空気でさえも炎にしたと言われている」
「これは、一体どうやって使うの?」
「マスターの武器に触れさせれば、威力は増加するでしょう。その身を代償に取り込めば、力となるでしょう」
「……!」
「そしてこれは、ここでマスター、ウィザード、ビーストが力を発揮できない原因でもある」
「どういうことだ?」
ハルトの質問に、キャスターは振り返った。
「この遺跡全体が、このオーパーツを安置するための匣だったということだ」
「匣……?」
キャスターは頷く。
「オーパーツの力を用いた、一種の防錆装置だ。ムーの力を用いない異能の力は、弱体化されると思った方がいい」
「だから俺とほむらちゃんは変身できなかったのか……」
「そう。そして、それすらもほんの一部。マスター。貴女の願いを叶えるためには、このオーパーツの力が必要となる」
その言葉を聞いたほむらは、すぐに踵を返す。コウスケを突き飛ばし、赤く光る石を掴もうと手を伸ばすが。
「触るな」
その手を掴まれる。
「貴様のような下賤の者が触っていいものではない」
いつの間に遺跡にいたのだろうか。いつ、この部屋に追いついたのだろうか。
山道でハルトたちが遭遇した青年が、ほむらの腕を封じていた。
彼はその赤い目でほむらを睨む。
「失せろ」
「……なぜかしら?」
ほむらと青年の、数秒のにらみ合い。
そして、彼は告げた。
「俺の誇りが、それを許さないんだよ……」
その後、青年の動きは突然だった。
ほむらへ向けられた容赦ない回転蹴り。それを避けたほむらは、躊躇なく銃を取り出し、その銃口を青年の頭に向ける。
「ほむらちゃん!」
ハルトが止める間もなく、ほむらは発砲。
だが、青年は最低限の動きでそれを回避。ほむらを蹴り飛ばした。
「っ!」
頭を打ったほむらは、青年を睨む。
青年は全く臆することなく、ほむらからキャスター、ハルト、コウスケへ告げた。
「もう一度言う。失せろ」
「……悪いわね」
ほむらは生身のまま、銃を下ろさない。
「その石をもらいに来たの。力をもらえるんでしょ?」
「……力づくでなければ、分からないらしいな」
青年はゆっくりと、ポケットから何かを取り出す。
「あれって……」
ハルトはそれに見覚えがあった。
博物館で展示されていた、ムーの携帯端末と思しきものと全く同じ形をしていた。
青年はそれで、目の前で何かを描いた。空間に直接記されていくもの。それは、この部屋のあちらこちらに描かれているものと同じ、ムーの紋
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