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Fate/WizarDragonknight
ムーの遺産
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「あれはムー大陸」

 キャスターがハルトの横を通り過ぎながら言った。
 ハルトは「へえ」と頷き、

「大陸にしては変な形じゃない? どっちかというと、UFOみたい」
「当然だ。ムー大陸は空を飛んでいたのだから」
「空!?」

 ハルトはもう一度ムー大陸を見やる。

「大陸が空を飛ぶって……」
「それホントか?」

 頭痛がしてきたハルトとは逆に、コウスケが復帰して目を輝かせていた。
 キャスターは頷き、

「ムーの文明は、大陸そのものが移動要塞として、この世界のみならず他の世界をも支配の手を伸ばしていた。中には、ここのように崇めるところもあったのだろう」
「ほお……」

 少しだけコウスケの目に光が戻った。

「なあ、少しムーのこと聞いてもいいか?」

 話しが長くなりそうな二人を放っておいて、ハルトは明るくなる光源を探す。
 それはすぐに、部屋の中央に見つかった。まるで展望台のように描かれた円の中心に、円筒状の台が設置してある。そしてその上には、恐竜の頭部のような形状をした石が鎮座していた。地下深くにも関わらずあふれ出る光源は、近づくだけでその熱が伝わってきた。
 そしてハルトは、この石と似たものを見たことがある。
 それは、先日博物館で展示され、狙われ、響が結果的に吸収してしまった代物。

「ベルセルクの剣と同じもの……」
「おい……オイオイオイ!」

 コウスケが興奮した声で石に近づく。

「何だこれ何だこれ何だこれ!?」

 コウスケは新品のデジタルカメラで何度も石の写真を撮る。そのまま部屋全体を撮影したコウスケは、室内に響く大声で言った。

「嘘だろおい、見滝原遺跡だぞ? 小学生がみんな遠足で来るところだぞ? なんでこんなムーの遺跡があるんだ?」
「ここはムーとは関わりが深かった。そういうことらしい」

 キャスターが壁画を見ながら言った。

「かつての見滝原の民族は、ムーを崇めていたらしい。偉大なる恵を受けていたそうだ」
「恵?」
「ここに記載がある」

 キャスターが壁の一か所を指さす。象形文字で記載されているそれは、キャスターには慣れ親しんだものなのだろうか。
 キャスターはそのまま、書かれているものを読み上げる。

「『ムー。我らに知恵を授けたまえ。我らに光を授けたまえ。我らに繁栄を与えたまえ』
「へえ」
「それより、キャスター」

 ほむらがコウスケを突き飛ばし、光る石を指さした。

「貴女が言っていた力って、これなのかしら?」

 ほむらはキャスターに詰め寄る。彼女の顔が、鬼気迫るものになっていく。

「これなのよね? これで、力が手に入るのよね?」

 その問いに、キャスターは頷く。

「これはオー
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