父よ、母よ、妹よ 前編
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とうとう正体を見せたな!ドクトルG、いやカニレーザー!!」
カニレーザーとV3、二人は激突する。
パンチにキック。すっかり日が落ちた闇夜に両者の目が光り、死力を尽くす激闘が繰り広げられる。しかし中々、決着がつかない。
「ええい、これで終わりだあああ!!」
カニレーザーの額のレーザー砲に光が集まる。必殺レーザーが発射されようとしていた。
「死ねぃ!ラァイダV3!!」
光線が打ち出された。光線は真っ直ぐV3の方へと突き進む。
それを見たV3は敢えて避けることをせず、切り札を切ることにした。
「逆ダブルタイフーーン!!!」
V3がそう叫ぶと、彼の変身ベルト「ダブルタイフーン」に付いている風車が逆向きに回転する。そして回転中の風車からV3の体内にある全エネルギーが放出される。
その余りの威力にスタジアム内で旋風が起こり、付近の物を持ち上げ始める。
その旋風にカニレーザーが放ったレーザー光線が当たる。
2つはぶつかり、混じり合いながら強力なエネルギーの塊となって周囲に撒き散らされる。
「グワァァァァァ!!!!」
「ウワッァァァァ!!!!」
強烈な風が巻き起こり、カニレーザーとV3はダメージを負いながらそれぞれ、スタジアムの両端の壁へと叩きつけられる。
この時、V3は強制的に変身解除され、風見志郎としての姿に戻された。「逆ダブルタイフーン」は超強力な大技ではあるが、1度使うと3時間は変身が不可能となるのだ。
志郎はよろめきながらも、カニレーザーが吹き飛ばされた方を見つめた。カニレーザーが叩きつけられたであろう壁面は崩れており、小さな瓦礫の山ができていた。
しばらくの間、周囲には静かな空気が流れた。
(やったか……?ドクトルGを……)
そう思ったのも束の間、瓦礫の山の中から手が伸びる。
出てきたのはドクトルGだ。彼も強制変身解除されていた。その上、重症を負っているらしく、痛みに苦しむ様子も見られた。
「く……おのれェ、ラァイダV3ィィ!覚えておれ!」
ドクトルGは片足を引きずるようにして志郎から逃げ去る。
いつものV3ならショッカーの怪人、それも大幹部を逃がすことなど決してしない。あそこまで弱っていればトドメを刺すことなど容易いだろう。だがそれもV3であってこその話。
変身不可能となった上にダメージを負った今の志郎にはみすみす見逃すことしか出来なかった。
「痛み分けか……。結城になんて言えば…!?」
志郎がふとスタジアムの瓦礫に目をやると、1人の少年がいた。そして、すぐ側には女性が倒れており、胴体から瓦礫の下敷きになっていた。女性はおそらく彼の母親だろう。
少年は母親を助ける
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