父よ、母よ、妹よ 前編
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「「イーッ!!!!!」」」」
数万人の観衆は党員の掛け声に合わせて一斉に右手を挙げて敬礼を返す。
そしてそのタイミングを見計らったかのように大ショッカー党歌が流れ、いきなり客席の後ろからショッカーの大幹部 ドクトルGが登場したのだ。
「ドクトルG様だ!!」
大幹部の登場というサプライズに観客は驚き、会場のボルテージは急上昇し、感動と興奮のギアをぐんぐん上げていった。ましてやここ、中国エリアの統治者であるドクトルGが来たとなれば尚更だ。
そんな人民達を横目にドクトルGは護衛をしたがえてゆっくりとステージに立つと演説を始めた。
「……我が中国エリアに住む人民諸君、並びに他エリア人民諸君。改めて、第6回党大会へようこそ」
そう言うと、ドクトルGは大袈裟に盾と斧を持ったまま両腕を広げた。芝居がかった動きだが、聴衆は全く気にしていない。
「今から6年前の1973年、人類史上初の世界統一政府が発足した。先程の彼の演説にあった通りだ。
これこそ人類が長年望み、欲したユートピアそのものである。人間、改造人間、獣人……様々な種族が一丸となって全力を尽くすのだ!全ては諸君らの意志の強さと献身にかかっている!」
ドクトルGは右手に持ったオノを空中に掲げると、一段と声を張り上げた。
「偉大なる大首領様とショッカーに!イーッ!!」
「「「「イーーーッ!!!!!」」」」
ショッカーに対する崇拝と興奮の荒波に誰一人、例外なく飲み込まれていた。
その直後、大量の紙吹雪が舞い上がり、一層大きな歓声が上がる。そして10万発の花火が打ち上がり、党大会の一幕を彩った。
そんな中、
「そこまでだ!!!」
その場の空気を割くような声に会場の誰もが声の発生源の方を向く。
スタジアムの隅に設置された屋外用のスポットライトの上に男が立っていた。
「ドクトルGめ、人々を騙して利用するショッカーの大幹部!貴様の悪巧みもここまでだ!!」
そう叫んでいる、白いマフラーと白ベストに青シャツを着た男の姿に人々は目を剥いた。
その男はショッカーによって『悪』の烙印を押され、この世界の破滅を目論むとされる人物だったからだ。
「不穏分子の風見志郎だ!!」
「テロ集団の幹部だ!!」
彼の姿を見たドクトルGはオノを志郎の方へと向ける。
「出たな!風見志郎、いやラァイダV3!」
「ドクトルG!ようやく公の場に姿を現したな!この日をどれほど待っていたか、変身ッ!!!」
志郎は両腕を右に水平に伸ばした。そして左斜めに持ってくると左腕を右腕にこすり合わせた。
「ブィッスリャャー!!!とうッ!!」
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