父よ、母よ、妹よ 前編
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は党大会のための施設で、長さ600メートル、幅500メートルというその巨大さは常軌を逸しており、まるでナチスの巨大建築癖を現代まで存続させたようだった。こういったスタジアムはデザインの差異はあれど、各エリアに1つずつ設置されていた。
17時ちょうど、開会時刻になった。観衆が今か今かとひしめき、日が落ちてきた会場には四方にかがり火がたかれている。
「これより第6回大ショッカー党党大会の開幕を宣言する!!!」
北京市長による開会の合図が巨大スピーカーから流れ、党大会が幕を開けた。
オープニングは防衛軍の音楽隊によるファンファーレや重厚な交響曲、ショッカーユーゲントの少年少女達の歌声により会場が厳かな雰囲気に包まれる中、上空で空軍による戦闘機の曲芸飛行が行われる。
しかし党大会の中盤に差し掛かると突如、音という音が止んで会場中がしんと静まり返る。
ステージ上の演説台にスポットライトが照らされる。演説台には大ショッカー党の腕章をし、双頭の鷲のバッジを胸に着けた男が登壇していた。
「中国エリア、そして世界中の皆さん。第6回大ショッカー党党大会へようこそ!」
男は透き通ったような声で観衆に語りかけた。その場にいる人々が彼に注目する。
「我々、大ショッカー党は『新世界秩序』と『世界の永続的な発展』を基本理念とするこの世界唯一の合法的な政党です。この基本理念は新世界秩序を基に大幹部達が定められ、多くの人民達に支持されながら今日に至っています」
男は一息置くと演説を続けた。彼の後ろの方からはさり気なくBGMがなり、その場の雰囲気を調整していた。悲しめの曲調のBGMだ。
「さて、今から昔話をしようと思います。たった数年前までこの世界は崩壊していました。街は失業者にあふれ、犯罪が多発し、人類は環境を破壊しながら、愚かにも戦争を繰り返していました」
するとBGMが急に明るく、激しくなり、男の身振りや話し方も打って変わって明るく、スピード感を増していく。
「偉大なる大首領様はその状況を憂い、打破すべく、改造人間が導く新世界の構築を目的としてショッカーを創設されました。
そして旧世界勢力やアンチショッカー同盟らとの激闘の末、皆さんを解放することに成功したのです。
今では失業者どころか誰もが適職に就き、公害に苦しむ者も戦争の脅威に怯える者もいません!全ての人民が性別や人種、家柄に関係なくその能力を十分に発揮することができるのです!」
「そうだ!!」
「その通り!!」
「大首領様万歳!!!」
客席の中から数十万もの相槌が入る。
男は僅か2,3秒だけ間をあけると右腕を上げてショッカー式敬礼をする。
「イーッ!!」
「「
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