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レーヴァティン
第百九十四話 江戸の街と城その七

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「城塞としてはだ」
「もう考えないでありますな」
「そうなっている、だがそれでいい」
「司令部そして兵站基地で使えるのなら」
「そして政庁になればな」
 それならというのだ。
「もうな」
「それでは堀も」
「拡げない、若し拡げても」
 その場合のこともだ、英雄は話した。
「街に差し障りが出る」
「堀を拡げた分街が狭くなるであります」
「そこまですることはない」
 その必要はないというのだ。
「街の方が大事だ」
「江戸の街が賑やかな方が」
「むしろな、だからな」
「江戸城はもうでありますな」
「このままでいい」
 はっきりと言い切った。
「この城もな、ではな」
「これからでありますな」
「よりだ」
 さらにというのだ。
「城を観て回る、そしてな」
「天守閣の最上階にもでありますな」
「登る」
 こう言って実際にだった。
 英雄は仲間達と共に江戸城の天守閣の最上階まで登った。そしてそこから江戸の街を観回してそうして言うのだった。
「江戸の街どころからだ」
「遥か先まで観られるな」 
 幸正が応えた。
「関東の」
「そうだな、平地だからな」
「余計にだな」
「観られる」
 遮るものがないだけにというのだ。
「お陰でな」
「そうだな、いい眺めだ」
「実にな、やはり天守閣は必要だ」
「物見の塔としてな」
「なくてはならない」
 絶対にというのだ。
「まさにな、だからな」
「天守閣はこのまま置くな」
「避雷針を備えてな」
 そのうえでというのだ。
「置いておく」
「避雷針か」
「あれがないとな」
「落雷で焼け落ちるか」
「そうなっては元も子もない」
 折角の天守閣がというのだ。
「だからな」
「避雷針を備えるか」
「他の城にもそうしているしな」 
 大坂城だけでなく幕府の他の城に対してもそうしている様にというのだ。
「落雷はどうしてもある」
「術でも使えるしな」
「だからそれがあってもいい様にだ」
「避雷針は備えるな」
「必ずな、主な建物にはな」
 それこそという言葉だった。
「どうしてもだ」
「避雷針が必要でだな」
「置いていっているがだ」
「この江戸城でもだな」
「そして江戸の街でもな」
「そして雷という天災からだな」
「守る」
 江戸の街をというのだ。
「そうしていく」
「それがいいな」
 幸正もそれならと頷いた。
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