暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのは〜無限の可能性〜
最終章:無限の可能性
第284話「集いし“意志”」
[5/9]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
にも出来ないもの」

 優輝と葵の位置が漠然とは言えわかるのはかなりのアドバンテージだ。
 だが、そこに向かうだけではさっきまでの話と同じだ。
 だから、発想を変える。

「……二人の下へ向かうのは、私達自身じゃないわ。……攻撃よ」

「っ……なるほど、ね」

 つまり、“援護射撃”だ。
 その場から動かずに戦闘の手助けをするには確かに打って付けだ。

「当然ながら、距離等を考えれば無茶だね」

「でも、この神界ならその常識を覆せる」

「……はは、よくわかってるじゃないか」

 昔であれば、椿は絶対このような発想をしなかっただろう。
 だからこそ、紫陽は椿がその提案をした事に笑みを零す。

「あんたも、主の影響を受けているね」

「優輝の……?……確かに、そうかもね」

 二人の会話を背景に、再び神は襲い掛かってきた。
 それでも、他の皆に任せて紫陽は椿に策を聞く。

「とにかく、私達に出来るのは支援攻撃ね。それも、生半可な“意志”じゃ届かない。司が“祈り”を集めた時のように、より多くの“意志”を集める必要があるわ」

「……そいつは、また……」

 椿の話を聞いて、紫陽はある一点が気にかかった。
 それは椿も理解しており、言わなくてもいいとばかりに首を振る。

「わかってる。これが机上の空論という事ぐらい。司があれほどの一撃を放てたのは、集めたのが“祈り”且つ、司が天巫女だったから。だけど、“意志”の場合は別」

「その通りだ。この場合の“意志”は目に見えない力だけじゃない。言霊も、想いも、それどころか霊力や魔力、全ての力が集束する事になる」

 要は、その攻撃を集めるための“器”がないのだ。
 “意志”という領域外の力があるため、当然普通の媒体では耐えられない。
 かと言って、司のように誰かを“器”にするとしても……

「これは、あたしやとこよ……いや、神ですら不可能に近い。出来る可能性があるとすれば、それは各神話の頂点とも言える存在達ぐらいだろう」

「それでもイチかバチかの賭け、という事ね」

 飽くまで“可能性がある”だけだ。その可能性もごく僅かしかない。
 優輝がいない今、そのごく僅かな可能性を意図的に掴む事は出来ない。

「でも、それでも私がやるわ」

「なっ……!?」

「優輝と葵の居場所を感知できるのは私だけ。なら、そこへ正確に攻撃を向けるには、私が射手になるしかないわ」

「それは、そうだけど……!」

 あまりにも無茶が過ぎる。
 別に、無理をしてまで援護射撃をする必要はないのだ。
 しかし、椿の決意した瞳に、紫陽はそれを言う事が出来なかった。

「何と言われようと、私はやるわよ」

「……わかった。なぜそ
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ