ライト プリーズ
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ーのマスター。光」
「ハイハイ」
『ライト プリーズ』
「おいハルト。こっちにもくれ」
「ハイハイ」
『ライト プリーズ』
「ライダーのマスター。光が消えている」
『ライト プリーズ』
「ハルト。光源が足りなくて写真写り悪ぃぜ。光くれ」
『ライト プリーズ』
「ライダーのマスター」
「ハルト」
『ライト プリーズ』
「お前らホントいい加減にしろおおお!」
そろそろ耳に胼胝ができるほど、ハルトはライトを使った。
遺跡の天井付近に出現した小さな太陽より、光が放たれる。
唯一遺跡の文字を解読できるキャスターは、通路に記されている文字を凝視しながら、何度も何度もハルト(懐中電灯)のライトをつける。
文字が比較的少ない反対側では、コウスケが新型のデジタルカメラで写真を連写している。まるでゴキブリのように壁一体を即座に移動した彼は、まさに興奮の絶頂のようだった。
「すげえ、すげえ! こんな壁画見たことねえ! うわ、この絵は何だ? 一体何を現してんだ?」
「多田コウスケ、少し静かにしてくれないかしら?」
唯一することがないほむらが、瓦礫に座りながらコウスケに吐き捨てた。だがコウスケは耳を貸さず、それどころかキャスターの肩を叩いた。
「なあ、なあ! キャスター、あそこには一体何て書いてあるんだ?」
キャスターは少し顔をへの字にしながら、コウスケが指さす壁を見る。ちょうどそこで、光が消えた。
「おいハルト! ライトプリーズ」
「お前こっちもそろそろ疲れてきてるの分かってる?」
『ライト プリーズ』
「お、光った! で? みなまで言ってくれキャスター。あそこ、なんて書いてあるんだ?」
「『ラ・ムーを讃えよ』」
「ほうほう。ラ・ムー?」
「かつてのムーの皇帝の名だ。神官として、神の言葉を告げた記憶もある」
「ほうほう。お前、ムーに行ったことあるのか?」
コウスケの質問に、キャスターは頷いた。
「一度だけ。ムーとの戦いの中で、一度だけ時の我が主がムーに攻め込んだことがあった」
「マジかよ……お前歴史の体現者じゃねえか」
「確か、彼がムー大陸を大きく変えたはずだ。より力を得たものにしたのは、一重に彼の御業だったな」
「すげえ王様だな」
「もういいな?」
キャスターは、再び通路の文字の解読に戻った。
「……マスター」
「何か分かったの?」
待ってましたと言わんばかりに、ほむらが立ち上がる。
「こちらです」
キャスターは通路の先を指さした。
『ライト プリーズ』
「ハルト。お前、もうだんだん何も言わなくなってきたな」
「俺はもう、ライトすることしかできない。俺は全自動ライト製造機だ」
「それは便利ね。ぜひ一家に一台欲し
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