第四幕その十一
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「蛸というとね」
「やっぱりだね」
「蛸は蛸壺だね」
「日本人が考えた最高の蛸の捕まえ方だね」
「壺に入らない蛸はいないから」
「もうそれは蛸の習性だから」
「そうしてみようか、しかしあの捕まえ方は」
蛸を捕まえるそれはです。
「凄いね」
「だからどんな大蛸も怖くないんだ」
「僕達が怖いと思っても」
「それなら大きい蛸壺出して捕まえるって軽く言って」
「次は何人食べられるかなんて言うんだ」
「本当に日本人にとって蛸は食べものだよ」
先生が見てもです。
「それでしかないよ」
「もうどう見てもそうだね」
「烏賊もそうだけれど」
「日本人って蛸イコール食べもので」
「怖いと思わなくて」
「蛸壺出せばいいだからね」
「そしてその蛸壺をね」
まさにそれをというのです。
「これからはね」
「使っていくんだ」
「それで赤くない蛸を探すんだ」
「これからは」
「それも使うんだ」
「うん、あと蛸漁をしている人にもお願いをして」
そうした漁師さんにもというのです。
「若し赤くない蛸が見付かったら」
「その時はだね」
「知らせてもらう」
「そうするんだ」
「そうして探していくんだ」
「兎に角個体数は少ないから」
このことがあるからだというのです。
「それでね」
「やっていくんだ」
「そうするんだね」
「今回は」
「そうだね」
「是非ね」
皆にこうお話しながらでした、先生はこれからは漁師さんにもお願いするのでした。そうしてです。
この日の午前中はその浅瀬を探しましたが色々な生きものがいてもその蛸はいませんでした。午後はレポートを書きましたが。
三時のティーセット、和風のそれの中でお抹茶をお団子と羊羹して赤福餅を食べながら先生は皆に言いました。
「しかしね」
「しかし?」
「しかしっていうと」
「どうしたのかな」
「今は論文書いてるけれど」
「この赤福餅がね」
これがというのです。
「本当に美味しいね」
「ああ、赤福餅だね」
「噂通りの味だね」
「これはいけるよ」
「この味はね」
「こし餡とお餅が程よくあって」
「最高だね、だからね」
それでというのです。
「明日も食べたいね」
「ああ、いいね」
「明日も赤福食べたいね」
「じゃあデザートに食べる?」
「その時に」
「そうしようね、お抹茶もね」
お茶も飲みつつ言うのでした。
「いいね」
「そうだよね」
「こちらのお茶もいいね」
「お抹茶は日本でもよく飲むけれど」
「それでもね」
「ここで飲むお抹茶もね」
これもというのです。
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