荒んだ城下
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それ!
「うん。被ろうかなと思ったんだけどね…流石にそれは…ねぇ!?だから財布にしまっといた」
「は、早くしまってよ!」
少女の手からリュカの財布と自分の下着を引ったくり、慌てて懐に隠すビアンカ。
「意味分かんないんだけど!何なのアンタ…」
スリ少女を摘んだまま、裏路地へと入って行くリュカ達
閑散としているとは言えメイン通りで問答をしていると、ガラの悪い巡回兵の興味を引きかねない…
まだこの国の状況が掴めていない為、問題を起こすわけにはいかないのだ。
「いい加減離せよオッサン!」
「オッサンじゃない!イケメンお兄さんだ!言ってみろ!」
「ふざけんな馬鹿!死ねオッサン!」
「むぅ…口の悪い娘だ!こうしてやる!」
リュカはスリ少女を地面に下ろすと、徐に体中を擽りだした!
「ぎゃははははは…や、やめろ…あははははは…」
「ほら、超イケメンお兄さんって言ってみろ!」
「きゃはははは…うるさい…あははは…こ、このエロオヤジ…ひゃははははは…」
皆は信じられないという表情で、リュカと少女を眺めてる…
腐肉の様な酷い悪臭で、息をするのも苦痛なのに、リュカは気にすることなく少女の体中を擽りまくる。
「あはははは…も、もうやめて……ちょ、超…イケメ…ン…お兄さん…」
「よし、よく言えました。僕はまだ若いんだからね!」
裏路地の壁際にグッタリと座り込み、放心状態のスリ少女…
「さて………何だって君は、そんな恰好までしてスリをしてるんだい?」
「そんな恰好…?どういう事ですかリュカさん!?」
リュカの言葉に疑問を持ったアルルが、鼻と口をハンカチで押さえながら尋ねる。
「この娘、ワザと悪臭を服に擦り付けてスリをしてるんだ!多分この臭いは、腐ったネズミの死骸かな?」
先程までグッタリしてた少女が、リュカの言葉に驚き目を見開く。
「凄い…よくこの悪臭の根元が分かったね…」
「まぁね…顔と鼻と女運は良いんだ!」
「うぇ…何でワザワザそんな事なさるんですの?」
ウルフの服で鼻と口を覆っているマリーが、吐きそうな声でその奇妙な行動理由を尋ねる…
「………ふん!」
が、少女は答えない…代わりにリュカが答えてくれた。
「悪臭を纏う事で、スリへの注意を逸らすのが目的なんだ。こんな悪臭の人がぶつかって来たら、思わず突き放そうとするだろ!?自分の財布を確認するよりも、相手を突き飛ばす方が優先されるわけだよ」
「……そんな事まで分かるんだ…凄いねアンタ…で、アタシをどうするんだい?詫びを入れさせる為に、此処で犯すかい!?…それとも犯罪者として、警備の兵に引き渡すのかい?…ふっ、警備兵に引き渡されても、死ぬまで犯されるだけだね………私の未来は決まったね………」
「私達はそん「どうするかは君次第だ!何故スリを?」
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