荒んだ城下
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<サマンオサ>
周囲を絶壁に近い山々に囲まれた中に、広大な平地が広がる国サマンオサ。
サマンオサ王国の城下町に着いたのは、ジパングを出てから9日目の昼だった。
城下町に入り最初に目にした物は、荒んだ町並みだ…
「何だこの国………偽太后が幅をきかせていた頃のラインハットを思い出すなぁ…」
殆どの商店が閉まっている…いや、閉まるどころか開けっ放しで荒らされている!
人々の目には絶望の色が広がり、他人との関わりを避けようとしている。
「酷い国ですね…カンダタ、何か情報はあるの?」
「いや…何も聞いた事ねぇーな…モニカはどうだ?」
「アタイも何も聞いてないねぇ…この国は立地条件から、あんまりモンスターにも攻められなかったんだけど………疫病が蔓延してるって話も聞かないし…」
この国の現状に戸惑い呆然としていると、ウルフよりも少し年下ぐらいの子供が、勢い良くリュカにぶつかり走り去る………が、
「おい、待てガキ!」
走り去ろうとした子供の襟首を掴み、子猫を摘んで持ち上げる様に、子供を持ち上げた。
「な、何だよ!!ちょっとぶつかっただけだろ、離せよ!」
子供は浮浪児の様で、酷い悪臭を放っている。
「旦那…このボウズがどうしたんですか?小汚いし離してやりましょうよ!」
カンダタだけでなく、皆がその悪臭に顔を顰めてる。
「ボウズじゃないよ、女の子だよ。それにこの子…僕の財布をスッたんだ!」
「「「え!?」」」
リュカの言葉に皆驚く!
先ず、性別が判らないほど汚れている子供を掴める事に…
一瞬で女の子だと見抜いた事に…
そして財布をスッた事に…
「ふ、ふざけんなよ!ぶつかっただけなのに因縁付けんなよ!」
あくまでもシラを切る少女の服の中に手を入れ、財布を捜すリュカ。
「や、やめろ…このスケベ中年!!」
「スケベ中年だと!?訂正しろ、僕はまだ中年じゃないぞ!………お、あった!」
スケベである事には否定をせず、少女の服の中から自分の財布をまさぐり出す。
「あ!そ、それはアタシんだ…アンタのだと言う証拠は無いだろ!」
「ほぅ………じゃぁ中身を言ってみろ!」
「な、中身…は…お、お金だよ!何ゴールドかは忘れたけど…」
「ぶ〜!残念でしたぁ!お金は1ゴールドも入ってません。中に入ってるのは、昨日ビアンカが着けていたブラとパンツです。淡いピンクのスケスケ下着ですぅ!」
リュカの言葉に少女は驚き、慌てて中身を取り出した!
財布から出てきた物は、リュカが言う様に淡いピンクのスケスケ下着…
「わぁ〜ぉ!お母様セクスィ〜!」
「リュ、リュカ…もういいでしょ…早くしまってよ………」
ビアンカは顔を真っ赤にして俯き呟く…
「ア、アンタ馬鹿なのか!?何で財布に下着入れてんだよ!」
憤慨する少女…逆ギレだろ、
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