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レーヴァティン
第百九十四話 江戸の街と城その一

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                第百九十四話  江戸の街と城
 英雄は武蔵に入った、まずは道を見たがその道は。
「中々いいが」
「それでもですね」
 良太が応えた。
「幕府の領地の主な道と比べると」
「まだ狭くな」
「整ってもいませんね」
「だからな」
 そうした道だからだというのだ。
「こちらはな」
「整えますね」
「そうする、また橋もな」
 前の橋も見たがそれもだった。 
 狭く幕府の多くの橋より粗末だった、英雄はその橋も見て言った。
「主な橋の筈だが」
「粗末ですね」
「よりよい橋をな」  
 それをというのだ。
「築きたい」
「そうすべきですね」
「そして堤もな」 
 次はそちらを見た、川のそれも。
「よりよくな」
「されますね」
「そうしたい、そうすればな」
「この国はよりよくなりますね」
「必ずな、そしてな」
「人の往来も農業も盛んにし」
「そしてだ」 
 そのうえでというのだ。
「豊かにする」
「そうしますね」
「そしてこれからだが」
「江戸の街にですね」
「やがて入るが」
 今度はその時のことを話した。
「果たしてだ」
「どれだけの街かをですね」
「見る、何十万もの民がいてだな」
「東国で最も栄えた街でござるが」
 智が言ってきた。
「そして冒険の時に寄ったでござるが」
「そうだったが」 
 桜子を仲間にした時のことを思い出しつつ言った。
「果たしてあの時と比べてな」
「そして今の大坂や都と比べて」
「どうか」
「それが問題でござるな」
「まさにな」 
 こう智に言うのだった。
「これは東国全体のことだが」
「冒険の時は何も思わなかったでござるが」
「むしろかなりの街だとな」
 その江戸の街がだ。
「思ったが」
「それが今でもであるか」
「それがだ」 
 まさにというのだ。
「問題だ」
「左様でござるな」
「そうだ、果たしてどうか」
 英雄は前を見つつ言った。
「それをな」
「これからでござるな」
「見る、これまでのところ武蔵は変わっていない」 
 冒険者として来た時からというのだ。
「魔物もな」
「出て来るでござる」
「流石に街や村では出ないが」 
 人が多くいる場所には出ないのだ。
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