見滝原遺跡
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な趣味があったのか」
「ねえよ!」
キャスターが遺跡に入っていくのを見てから、ハルトもコウスケとともに、遺跡に足を踏み入れた。
懐中電灯の他には光のない狭い回廊を、ほむらはぐんぐん進んでいく。彼女の勇ましさに感心しながら、ハルトはキャスターに話しかけた。
「……キャスターも、どうしてここに?」
懐中電灯さえ使わないで歩いているキャスターは、首を動かさずに目線だけでハルトを見た。
思えば、戦っていない時のキャスターって初めて見るな、とハルトは思った。
「教える義理はない」
「まあ、そりゃ確かに……」
「まあ、分かるぜ? ロマンを感じたんだろ?」
すると、コウスケが割り込む。
「お前女でも、結構見込みあるじゃねえか。こういう遺跡って、やっぱりロマン感じるよな? オレも今日が大学の調べもののためでなかったら、色々じっくり見て回りてえんだがな」
「……」
「貴方たち、静かにしてくれないかしら」
先導するほむらが言った。
コウスケは「悪い悪い」と言いながら、頭の後ろで手を組む。
「しっかし、おまえらこういうところ興味あったんだな? ミステリアスな雰囲気なのに、見直したぜ」
「興味あるわけじゃないわ」
ほむらは吐き捨てる。振り向きざまにキャスターと顔を合わせ、互いに頷いた。
「松菜ハルト。貴方はこの前、博物館にいたのよね?」
「博物館って、あの宇宙人盗難の?」
「そう」
ほむらは頷いた。
「あの時盗まれたあの剣は、ただの古の産物じゃない。あれは、危険な兵器よ」
「兵器? あの剣が?」
ハルトは博物館で見たベルセルクの剣を思い出す。
「確かにすごい剣だったけど、あれって別に兵器っていう代物じゃないと思うけど……」
「あれはただの剣ではない」
キャスターが口を挟んだ。
「この世界の高度技術の遺産。内包するエネルギーも計り知れないもの」
「……キャスター、結構情報通って顔してるけど、何で?」
「……」
キャスターは口を閉じた。
その赤い瞳が、吟味するようにハルトを睨んでいた。
やがてキャスターはハルトから正面へ視線を逸らす。
「かつて。……私がいた世界の一つ。あの展示品と全く同じものが使われていた」
「同じもの? ベルセルクの剣が?」
キャスターは頷いた。
やがて一行は、遺跡の中心部である大広間に付いた。通路になっていたこれまでの物とは違い、広間はハルトたち四人が生活しろと言われても問題ないほどの広さの場所だった。
「……調べるわよ、キャスター」
ほむらは言うが早いが、懐中電灯をたよりに壁を調べ始めた。
キャスターもほむらとは反対側を観察しながら、口
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