見滝原遺跡
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や赤い紋章などといったファンタジー要素もなく、銀髪で目が赤いだけの美女だった。高貴な印象を抱かせる彼女がサファリジャケットという、あまりにもアンバランスな外見ではあったが。
ほむらはしばらくハルトを見つめ、やがてコウスケを見て、彼女は銃を取り出す。
「ほ、ほむらちゃん!?」
「何で日に二度も敵意向けられてんだよ!」
銃口を向けているものの、ほむらはトリガーを引く様子はなかった。
「私たちは敵同士よ。敵意を向けない理由なんてないわ」
「いやそれはごもっともぉ!」
『ディフェンド プリーズ』
コウスケが銃声に悲鳴を上げる前に、ハルトは指輪を使用した。
鉛玉がハルトの目前で、魔法陣の壁に阻まれる。
だが、それだけでほむらの敵意は止まらない。
彼女は紫の宝珠を取り出した。紫の光とともに、ほむらの姿が白と紫を基調としたものになる。
「ちょっと待ってって!」
『フレイム プリーズ』
高速の動きで銃声を鳴らすほむらに対し、ハルトはウィザードに変身し、コウスケを庇った。火花が散り、片膝をついた。
「っ……」
「消えなさい。松菜ハルト」
コンバットナイフで、ウィザードの首を刈り取ろうとするほむら。
だが、そんな彼女の腕を、キャスターが掴んだ。
「マスター。少しお待ちください」
「キャスター……?」
いつの間にかほむらの後ろに回り込んだキャスターが、静かに告げた。
「ここでこの二人を始末するのは得策ではないかと」
「なぜかしら。生き残りをかけて殺し合うのが聖杯戦争よ」
「貴女の目的のために、利用できるものは利用した方がいいのでは?」
「……」
数秒、ほむらとキャスターの間に沈黙が流れた。
やがてほむらから敵意が消え、変身を解除するのを見て、ウィザードもハルトに戻った。
ほむらは改めて、ハルトを睨む。
「何しに来たの、松菜ハルト。……と」
ほむらはコウスケを見下ろしている。眉をひそめ、首をかしげた。
「貴方、誰かしら?」
「ええ!? お前会ったことなかったか?」
「記憶にないわ」
「ひでえ! なあ、そっちの美人の姉ちゃん! オレのこと覚えてるよな?」
「……」
「いや黙ってないで答えてくれよ」
「……マスター。彼はランサーのマスター。以前、アサシンの時に見滝原中学に突入した一人です」
「……会った記憶はないわね」
ほむらは言い放ち、遺跡への階段を下っていった。
「……あれ? オレ、本当に会った事なかったか?」
「ないんでしょ? あの時はみんな混乱してたから、もしかしたらどこかでニアミスしたかもしれないけど」
「でもなあ。あんな美人さんに冷たい目で見られると……なんかこう、ゾクゾクするな」
「お前そん
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